緒方理事長がジブチのゲレ大統領と会談

2010年12月28日

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ジブチの開発課題やソマリア情勢について意見を交わしたゲレ大統領(左)と緒方理事長

緒方貞子JICA理事長は12月20日、ジブチのイスマイル・オマール・ゲレ大統領と都内のホテルで会談し、ジブチと日本の協力関係や隣国のソマリアを中心とする「アフリカの角」地域の現状について意見を交換した。

ジブチは、インド洋と紅海に接するアフリカ大陸東部の「アフリカの角」の一部で、アジア、ヨーロッパ、アフリカをつなぐ、地政学上の重要な位置を占めている。また、ソマリアの和平プロセスにイニシアチブを発揮するとともに、昨今のソマリア沖の海賊問題にも取り組んでおり、日本は2009年3月から海上自衛隊などをジブチに派遣している。

会談冒頭、緒方理事長は「ジブチ政府は、ソマリア難民らの受け入れに加え、ソマリア沖海賊対策にも貢献している」と述べ、その役割を評価した。

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地元で「フクザワ学校」と呼ばれる首都・ジブチ市内の中学校。1990年代に無償資金協力で建設され、教育が開発の原動力になった日本に倣おうと、福沢諭吉にちなんで命名された

ゲレ大統領からは、「日本の支援、特にJICAによる協力は、教育、保健、水、エネルギーといった分野で直接、人々に裨益している」と謝意が示された。日本は、これまでも医療機材の供与や学校・教員養成校の建設、ジブチ南部と北部をつないで物流や人の移動を効率的にするフェリーの供与などを通じ、同国の開発を支えてきた。

近年、JICAと日本政府の関係者は、ジブチ政府との間で経済協力政策協議を継続的に実施しており、2010年4月の協議では、水、エネルギー、沿岸警備、職業訓練分野が重要であることを確認した。これに対し、JICAはジブチの最優先課題の一つである水の問題に対し、井戸の掘削や表流水の開発・管理に関するマスタープランの策定など、包括的な協力を実施しており、太陽光パネルの設置など、エネルギー分野でも支援を始めている。

また、ジブチでは電力需要の伸びに供給が追い付いておらず、電力源である重油の高騰などもあって、自然条件を生かした環境に優しい電力供給を目指している。会談に同席したマフムッド・アリ・ユスフ外務・国際協力大臣は「ジブチにとってエネルギー問題は喫緊の課題であり、地熱発電所の建設に向けて、日本からの支援を期待している」と述べ、特に円借款供与の可能性について関心を示した。緒方理事長は、債務持続性などの観点から、現時点での円借款供与は難しいとしつつ、「技術協力、有償資金協力、無償資金協力の三つの枠組みを包括的に実施できるJICAとして、どのような支援ができるかを検討したい」と述べた。

また、会談の最後には、ソマリア情勢についても意見が交わされた。「大変複雑で難しい問題だが、まずは公共の治安の確保が重要である」というゲレ大統領の言葉に対し、緒方理事長は「ジブチ政府は海賊問題、ソマリア問題の最前線でさまざまな努力や協力をしており、今後もJICAはジブチを支援していきたい」と述べた。

アフリカ部 東部アフリカ第二課