緒方理事長がタイ復興開発戦略委員会のウィラポン委員長と会談-大洪水からの復興に向けさらなる協力を約束-

2011年12月13日

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「東日本大震災の経験を共有していただきたい」と話すウィラポン委員長

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緒方理事長は、会談で、ウィラポン委員長から被災地視察の要請を受けた

緒方貞子JICA理事長は11月30日、タイ復興開発戦略委員会のウィラポン・ラマンクン委員長とJICA本部(東京都千代田区)で会談し、タイの大洪水からの復興について、意見を交換した。

会談冒頭、ウィラポン委員長は、50年にわたるJICAの支援に加え、今回の大洪水に対するJICAの積極的な支援に対し謝意を表明。「1999年にJICAの協力によって策定されたチャオプラヤ川洪水対策マスタープランは、今後の対策を検討する上で非常によい土台になる」とした上で、JICAのさらなる支援を要請した。

これに対し緒方理事長は、洪水被害に対するお見舞いの言葉を述べた後、「今回の大洪水の経験を踏まえ、防災対策においては、被害拡大防止の視点がいかに重要であるかを改めて認識した」と述べた。

同席した新井泉JICA理事は、JICAは、99年のマスタープランの見直しを支援するとともに、工業地帯を洪水被害から守るために協力することを改めて表明。また、竹谷公男JICA客員専門員をタイの治水対策委員会に派遣しているほか、復興開発戦略委員会の事務局が置かれている国家経済社会開発委員会に2人のJICA専門家を派遣しており、復興に向けた支援を引き続き行っていくと述べた。

日系企業の操業再開と撤退防止に向けて

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工業団地の再開などについて意見を交わす緒方理事長(左手前から2人目)とウィラポン委員長(右手前から2人目)

深刻な被害を受けた工業団地の再開について、ウィラポン委員長は、これまでに日本貿易振興機構(JETRO)や日本人商工会の関係者と面談し、多くの日系企業がタイでの操業継続を表明していることを確認したと報告。「タイ政府として、洪水対策とそれに対する投資の呼びかけを進め、2012年の雨期までにビジネス環境の整備を急ぎたい」と述べた。

これに対し、同席した広田幸紀JICA東南アジア・大洋州部長は「日本のビジネス界は、タイ政府の治水対策に関する情報を渇望しており、JICAは、12月中に名古屋や大阪で企業向けの説明会を行う予定だ」と応じた。

農業分野の支援も検討

チャオプラヤ川流域では、工業団地だけでなく、農業地帯も大きな被害を受けた。新井理事は、JICAは、農業分野でのニーズアセスメント調査団を派遣しており、国連食糧農業機関(FAO)と連携した支援も検討していることを明らかにした。これについて、ウィラポン委員長は「農村部への対応が重要であることは認識している。JICAの協力を得つつ、復旧・復興を図りたい」と述べた。

タイ政府は、緊急支援から短期的支援、中・長期支援と復興の方針を3段階に分けている。JICAはこれに応じた形で、各段階での支援を行っていく。