緒方理事長が独立10周年を迎える東ティモールのラモス=ホルタ大統領と会談

2012年1月23日

緒方貞子JICA理事長は、1月19日、東京都内のホテルで、東ティモールのジョゼ・ラモス=ホルタ大統領と会談した。

今年は、東ティモールの独立10周年で、日本との国交樹立10周年にも当たる。同国は2011年3月の東日本大震災の際に、計100万ドルの義援金を日本政府に寄贈しており、ラモス=ホルタ大統領は今回、宮城県の被災地訪問などのために来日した。

国内の安定が進む東ティモール

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治安が落ち着き、本格的な復興段階に入った東ティモールの首都ディリの街並み

会談で、ラモス=ホルタ大統領は、首都ディリで先日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の閉所式が行われたことを受け、「東ティモールの安定を示す象徴的な出来事だ」と述べた。

また、「わが国は世界で4番目に人口増加率が高く、1世帯平均で6人の子どもがおり、40万人の児童・生徒の教育は政府にとって最大の課題である」とした上で、教員の能力向上や教室の確保、学校給食の普及のための支援を求めた。

これに対し、緒方理事長は、JICAがアフリカをはじめとする各国で、教員の能力向上による理数科教育強化のためのプロジェクトを実施しており、大きな成果を上げていることに言及。また、「教育は言葉の問題があるが、東ティモールと同じポルトガル語圏のブラジルやモザンビークとの三角協力の可能性も考えられる」と付け加えた。

インフラ整備などでさらなる発展を

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コメの生産性向上と水利組織の強化を目指し、灌漑(かんがい)稲作プロジェクトが実施されている

また、ラモス=ホルタ大統領は、東ティモールの独立以来、インフラ整備を中心に支援してきたJICAに対して感謝の意を表明。さらに、「農業開発支援など、食料安全保障面での貢献も大きい」とした上で、東ティモールのコメの自給率は約45パーセントと多くを輸入に頼っていることから、災害や市場価格の高騰があっても安定して食料を供給できるようにするための道路整備の必要性を訴えた。

JICAは、2011年に初めて青年海外協力隊を東ティモールに派遣したが、現在、同国の要請を受け、大幅な増員を検討している。また、行政能力と財政管理能力の向上に対する協力として、2011年2月に設けられた国家開発庁への支援を進めるべく、現在、調査中だ。さらに、二国間協力の一環として、日本政府と東ティモール政府の間で円借款の可能性も検討されている。

独立10周年の記念日(5月20日)を目前に控え、新しい局面を迎えている東ティモール。JICAは今後も、東ティモールの新たなニーズに応えつつ、さらなる発展に向け協力していく。