緒方理事長がインドネシアを訪問し、経済担当調整大臣らと会談-CSISで自然災害と人間の安全保障をテーマに講演-

2012年2月29日

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自然災害対策においては、公的機関だけでなく民間企業やNPOなどが協力して、包括的な方策をとることが必要と緒方理事長

緒方貞子JICA理事長は、2月22日から23日にかけてインドネシアを訪問、ハッタ・ラジャサ経済担当調整大臣らと会談したほか、国内外の政治経済・社会問題に関する政策研究を行っている国内有数のシンクタンクの一つであるインドネシア戦略国際問題研究所(the Center for Strategic and International Studies:CSIS)で、講演を行った。

23日の「自然災害と人間の安全保障」と題したジャカルタでの講演には、同国の研究者、政府関係者、メディアなど約100人が参加。緒方理事長は、人間の安全保障の概念について、形成に至った当時の世界情勢、普及と実践の状況などを紹介し、近年、人間の安全保障が自然災害対策においても欠かせない視点の一つとしてとらえられるようになっていることに言及した。また、スマトラ沖大地震・インド洋津波、東日本大震災、タイの洪水などを例に、防災の重要性と、国を超えた災害対策や防災技術の共有の必要性を指摘。自然災害対策においては「万人に裨益(ひえき)する」、「人を中心に据えた」視点が重要であり、政府や国際機関のみならず、民間企業やNPOなどが協力して、包括的な方策をとることが必要であると強調した。

参加者からは、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国が、自然災害対策の経験や教訓を共有する重要性とともに、ASEAN域外へ発信することの意義などについて、質問やコメントが寄せられ、意見交換を行った。

さらなるインフラ整備を

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今後のインフラ整備支援などについて意見を交換したハッタ大臣(左)と緒方理事長

同日午後には、ハッタ大臣との面談が行われた。緒方理事長が東日本大震災でのインドネシアからの支援に対し感謝の意を述べると、ハッタ大臣は「日本の復興には世界が注目しており、インドネシアの人々は日本が多くの問題に適切に対処するものと考えている」と応じた。

また、ハッタ大臣は、ジャワ・スマトラ送電線、ジャカルタ都市高速鉄道などのインフラ整備支援や、首都圏投資促進特別地域(MPA)マスタープランの作成などに対するJICAの協力に謝意を述べ、「MPAの優先事業を迅速に実施していくことが、今後、ますます重要になっていく」との考えを示すと、緒方理事長は「JICAも引き続きインフラ整備に対して協力をしていきたい」と述べた。

最後にハッタ大臣は、インドネシア国内に六つの経済回廊を設定し、それぞれの成長センターを中心として開発を進める「経済開発迅速化・拡大マスタープラン」について言及。工業地域の整備に加え、開発を進めるためには、人材の育成とインフラの整備が必要であるとの考えを述べた。

JICAは今後も、インフラ整備をはじめとする多様な協力でインドネシアの開発を支援していく。