セネガル「総合村落林業開発計画(PRODEFI)」

協力期間:
フェーズ I 2000年〜2005年/延長フェーズ 2005年〜2008年
プロジェクト概要:
地域住民が主体となった持続的村落資源管理と利用を行う村落林業促進モデルの開発を目標とし、住民による村落林業・村落振興事業の持続的運営の支援と、支援を担う普及関者の育成を行う。地域住民のニーズに基づいて計画された研修を村落内で実施し、参加者を限定せず希望者みな受講できる「住民参加型研修」を通じて、村人の自発的参加を促進。植林活動の促進と地域生産システムを改善させ、住民の生活向上と生態系の維持・回復を目指す。

社会的弱者が特定され、確実に恩恵が届いているか

参加者を限定しない「住民参加型研修」

従来の研修では、村落の権力者や識字者が選ばれる傾向があったが、PRODEFIでは参加者を選ばず希望者はだれでも受講可能な参加型研修を実施した。これまでは研修の対象とならなかった女性へも門戸を開き、対象村落内でも研修実施によって、家事・育児に忙しい母親の参加も可能とした。乳飲み子を抱えた母親でも少年少女でも、希望者はみな参加することができることは、勉強の機会のなかった人々の意欲とモチベーションを高め、またプロジェクトへの信頼も醸成する結果となっている。また研修では、林業の主要な道具の扱いにおいて、男女パワーバランスに配慮した。研修前には林業の主要な道具は男性が使用し、男性が木材を伐採するため利益配分に影響している場合が多かったが、研修では道具作りの工程や使用に女性の参加を促すことにより、ジェンダーによる不平等を軽減している。

人々のリスク対応能力が向上しているか

地域ネットワークの構築

居住区の違いなどの理由から交流のなかった異なる民族の女性達が、PRODEFI研修という共有の場・体験をもつことで互いのコミュニケーション密度を高め、協働や連帯の精神を強める結果となった。研修は住民にとって情報交換の場となり、活性化したコミュニケーションが、さらに他の活動を生み出している。

また研修で使用する資材のみではなく、人的資源もできる限り地域の資源を活用することにより、地域ネットワークを構築し、プロジェクト撤退後も地域住民自ら人的リソースにアクセスすることを可能にしている。

自立発展型の地域開発

村の中で参加者を選択せずに多数を対象に実施するため、グループの参加も可能であり、メンバー全員での知識・技術を共有ができ、グループ活動の活性化にもつながった。さらに、研修をきっかけに開始される経済活動を支援し、村落開発のプロセスを促進している。例えば、村人が共同で得た収入は井戸、食糧貯蔵庫、枠堰などの建設費用として使われ、人々の暮らしをより安全に、そして便利にするために役立てられている。

自らを脅威から守れるリスク対応能力の強化

【写真】

村人が共同で得た収入で、井戸から畑にパイプを通し、女性の水汲み労働を軽減(総合村落林業開発計画プロジェクト)

塩害により農作物の栽培が困難な地域で、塩分に強いユーカリにより防風林をつくって農地を塩分濃度の高い風から保護した結果、野菜栽培を可能とした。またユーカリは成長がはやく、木材や木炭として販売ができ、住民が定期的な収入を得られるようになった。これらの活動は、与えられている資源を活用しながら住民自身が不安定な生活環境を安定したものに変えていく問題解決能力の形成に貢献している。