インダス文明ガンダーラ文明……そして、今2億人が動き出す。日本車比率95%のパキスタン市場を狙え!

パキスタン、と聞いてみなさんは何を思い浮かべますか?

もしかしたら「危ない国」というイメージが最初に浮かぶかもしれません。

あの2001年9月11日の米国同時多発テロを起こした
イスラム・テロ組織アルカイダの首謀者ウサマ・ビンラディンが潜伏し、
米軍によって殺害され、相前後していくつものテロが起きている国。

現在、日本のメディアでパキスタンが
報じられるときの多くはテロとワンセットになっています。

でもこの3月、初めて足を踏み入れた私の目に映ったのは、
危険なテロの国、ではありませんでした。

パキスタンは日本とビジネスの面できわめて強いつながりのある
「知られざる親日国」だったのです。

人口約1億8000万人、世界6番目の人口大国が位置するのは、
インドとイラン、アフガニスタンに挟まれたインダス川の流域です。
北にはカラコラム山脈を抱え、中国とも接しています。

肥沃な大地は古代から人を呼び寄せました。
世界最古の文明のひとつインダス文明の発祥の地であり、
アレキサンダー大王がやってきた場所であり、
西遊記の三蔵法師が訪れた「天竺」であり、
仏教文明を極めたガンダーラのあったところです。
ヨーロッパとアジア、イスラム教と仏教とが接する
文明の交差点だったのです。

そのパキスタン、実は戦後の日本を救った大恩人でもあります。
当時の基幹産業である繊維ビジネスに欠かせない綿花は
大半がパキスタン産でした。
1960年代までパキスタン最大の都市カラチはニューヨークを
しのぐほど日本の商社マンが集う場所でした。
パキスタン産の綿花が日本経済の復興を支えたのです。

さらにいえば今、パキスタンの街で走っているのは
ほとんどが日本製の自動車とバイクです。
日本車のシェアは新車販売台数の95%というから驚きです。

40歳以上のパキスタン人ならば、かつてパキスタンの英雄と
試合をしたこともあるアントニオ猪木さんのことを皆知っています。
ドラえもんは子どもたちの人気ナンバーワン・キャラクターです。

若い大量の人口を抱え、生産地としても消費地としても可能性に満ち、
地政学的にも恵まれ、16億人のイスラム市場を
攻めるにも打ってつけの場所にある。
このため日本はもちろん世界中の企業から注目を集めています。

ただし、パキスタンの社会が安定し、本当に経済成長するには、
絶対に欠かせないものがあります。
それは電力や水道、道路といった社会インフラと、
教育などのソフトインフラの整備です。

そこで日本の出番です。

インフラを整備し、教育を改善し、女性の社会進出に手を差し伸べる。

かつてアジアの経済成長の背中を押したように、
今度はイスラム世界と共に歩む。
日本の国際協力の最前線を取材します。

パキスタンの地理 ゴジラ似のインダス川大流域

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