パキスタンの悩み

その1 インドとの関係

かつては大切なパートナーであったパキスタンの、
日本国内における存在感は、時間の経過と共に変化してきました。
正確にいえば影が薄くなっていたのです。

理由はパキスタンが多くの政治問題を抱えているために
ビジネスの投資対象としては名前が挙がりにくい、ということにつきます。

パキスタンのことは、核保有国として
ニュースに取り上げられたこともあります。
パキスタンの隣には、何度も戦争を繰り広げた相手であり、
やはり核保有国であるインドがあります。
印パ戦争の最初の2回ではパキスタン北部にある
カシミール地方の領有権を争いました。
最後の1回ではパキスタンからの東パキスタンの独立紛争に
インドが介入することで衝突。
その結果、東パキスタンはバングラデシュとして独立しています。

インドと争っている北部のカシミール地方の領有権問題は
いまだに解決していません。
2008年にインドのムンバイで起きた無差別テロ事件では、
パキスタン人が逮捕・処刑されており、両国間の緊張は続いています。

印パ関係については、インドが善で
パキスタンが悪というイメージを持っている人もいるかもしれません。
そこには単純なからくりがあります。
長らく、日本のメディアの南アジアの拠点はインドにあり、
パキスタンにはありませんでした。
その間は、敵対国であるインドから、
パキスタンの情勢も報じていたことになります。
どちらがどちらというわけではありませんが、
どうしてもその情報は偏ります。

北部のカシミール地方の領有権問題

その2 イスラム・テロとウサマ・ビンラディン

印パ戦争後にもっともパキスタンが注目されたのは、
ウサマ・ビンラディンが殺害された2011年5月でしょう。
アルカイダの指導者で、911、アメリカ同時多発テロ事件をはじめとする
テロ事件の首謀者とされるサウジアラビア出身のこの人物は、
タリバン政権下のアフガニスタンに潜伏していましたが、
政権が米軍の攻撃により崩壊すると、パキスタンへと難を逃れました。
そして、最終的には、パキスタン北部のアボダバードで
米軍によって殺害されました。

日本のメディアがパキスタン国内に拠点を置くようになったのは、
この911がきっかけでした。拠点となったのは首都イスラマバード。
一時は日本の大手新聞やテレビ局が記者やスタッフを常駐させました。
こちらから報じられる内容は、どうしてもテロなどの
政治情勢を追いかけることが中心となります。
経済状況などへの言及は相対的に目立ちません。
私たちがパキスタンのことをよく知らないわりに
"怖い国"と感じるのには、こういった理由もあるのです。

さて、さきほど触れたタリバンとは、
アフガニスタン・タリバンのことです。
パキスタン国内にはパキスタン・タリバンと呼ばれる勢力があり、
今でもテロ事件を引き起こしています。

しかし、そのテロ事件の多くが起きているのは、
アフガニスタンとの国境近くです。
日本人の多い最大の都市カラチや古都ラホール、
首都イスラマバードでは、テロが起こるのは珍しいため、
その際にニュースになります。

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