日本企業の展開 自動車のシェアは95%!

そのパキスタンで今、日本は何ができるでしょうか。

民間の先行事例としては「自動車」があります。

日本びいきのパキスタンでは特に、日本車が人気です。
街を行く自動車のほとんどは日本車で、
なんと新車市場の95%を日本車が占めています。

きっかけをつくったのはスズキです。
1983年に自動車工場をパキスタンに設立しました。
スズキのインド進出はよく知られていますが、
インドよりもパキスタンが先だったのです。

往時を振り返って鈴木会長は、
日経ものづくりのインタビューにこう答えています。

「パキスタンで運搬の主役だったロバやラクダを、
当社のクルマが置き換えた。だから、今ではスズキのクルマは同国で
『ロバ』と呼ばれている」

スズキに続けとばかりに本田技研工業やトヨタ自動車、
日産自動車、日野自動車など日本の自動車メーカーの
大半が現地に進出しました。
ホンダ・シティやトヨタ・カローラは単一車種でみると
世界で一番売れている場所だそうです。

パキスタンでは二輪車も人気です。
スズキやホンダ、ヤマハが現地生産を現地生産を行っています。
スズキが1958年にバイクの現地工場を設立して以来、
パキスタンでは日本メーカーがバイクの主な供給元となっています。
ヤマハ発動機も近々直営の現地工場を設立します。

なぜ、パキスタンで日本車がシェアを伸ばしたか。
それは日本車メーカーが「右ハンドル」を作っていた、
という点が優位に働きました。
イギリス領だったパキスタンは右ハンドル文化。
ところがイギリスの自動車メーカーはいずれもいったん経営破綻し、
外資系企業に買い取られました。
右ハンドル文化圏で、若く貧しいパキスタンに自動車を供給できるのは
日本の自動車メーカーだけといっても過言ではなかったのです。

ただし、日本企業の活躍が見られるのは
自動車やバイクくらいしかありません。
日用雑貨や家電、各種消費財分野には食い込めていないのです。

なぜでしょうか。

理由のひとつは地の利の悪さ。
ライバルであるヨーロッパ各国に比べると、
パキスタンは日本人にとってとても遠い国です。

もうひとつはやはり治安問題。
各地でテロが頻発するのを眺めていると、
多くの日本企業が投資を手控えるのもうなずけます。

では、どこから手を付ければ、
パキスタンの経済は離陸するのでしょうか?

パキスタンの課題は、インフラと教育と女性

Pakistan Business

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