石炭火力の開発で、電力需給ギャップを埋める

ただし、水力発電だけに頼っていると、
成長し続けるパキスタンの電力需要に追いつかないことも事実です。
水力発電はインフラ整備に膨大な資金が必要な上に
建設に時間がかかります。
いったん稼働し始めるときわめて効率がいいのですが、
急速に電力需要が伸びているパキスタンのような新興国の場合、
迅速な発電所整備がどうしても必要になります。

となると、やはり重要なのは一番ポピュラーな火力発電の整備です。

パキスタンの電力を眺めてみると、水力発電のシェアは34%、
残りは火力発電で石油が35%、天然ガスが28%、石炭が0.1%です。

ここでポイントとなるのは石炭火力発電のシェアの低さです。

実は日本をはじめ産油国でない多くの国では、
火力発電に使われる資源は現在石炭と天然ガスが中心で、
石油のシェアは下がっています。
相対的に石油が割高になっているからです。

ここにパキスタンの悩みがあります。
パキスタンは産油国ではないので、これ以上石油資源に頼ることは
国としてとてもリスクが大きいのです。

実はパキスタンには石炭資源がありますが
有効に利用されてきませんでした。

石炭資源量1,850億トンの約95%にあたる1750億トンが、
地中奥深くにあるために、いまだ未開発。
パキスタンの年間石炭生産量は345万トンにとどまり、
1基当たり年間数百万トンの燃料を必要とする石炭火力発電所に
供給を行える資源規模ではありませんでした。

けれども今後の経済成長に伴う電力需要の伸びを考えると、
パキスタンには新規の火力発電所が不可欠です。

そこでパキスタン政府は民間の力も借りながら、
石炭資源の開発に乗り出しました。
石炭火力発電所の建設について、
日本政府は現在初期の調査に着手しています。

東部のシンド州タール炭田を開発し、
こちらの石炭を利用した高効率石炭火力発電所の建設を予定しています。
高効率石炭火力発電所はまさに、日本企業が得意とする分野です。

パキスタンでは、現在電力の需給ギャップが著しく全国的に
1日8〜12時間の停電を招いています。
石炭火力発電所の建設で、2017年までに電力の需給ギャップを
ゼロにするのが目標です。

その暁には、石炭発電が3行かせるようになったから9%、水力が33%と、
石炭と水力という国内で供給できる電力資源を大いに活用する
絵図をパキスタン政府は描いています。

電力普及の他にも、新興国共通で抱える悩みがあります。
それは水道インフラです。

水道インフラが市民の生活を変える

Pakistan Business

  • 01
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05
  • 05