ミャンマーで「創る!」 ティラワ工業団地その1 巨大経済特区に日本企業の旗を見た

ヤンゴンの街は、いま日本車であふれかえっています。

走っている車のほぼすべてが日本車です。しかもわりと新しい型の車種が目立ちます。ミャンマーは右側通行なのにもかかわらず、走っている自動車はみんな左側通行用の右ハンドル車です。かくして日本車ばかりが走っている。ならばその車両は、左側通行の隣国タイから輸入しているのか、と思いきや、日本から直接送られてきている中古車がほとんどとのことでした。

ミャンマーはかつてイギリス領でした。そのときは左側通行なので、当然自動車は右ハンドルでした。イギリスから独立した後、1970年にミャンマーは右側通行に切り替えます。ところが外国との貿易がかなり途絶えていたこともあり、車は右ハンドルのまま。その状態が現在まで続いてきたわけです。ただし、新車については2014年式から左ハンドルのみが販売可、という具合に徐々に左ハンドル規制が始まった模様です。

数年前、私が取材で入ったときも日本車が目立ちましたが、このときは非常に年式の古い中古車ばかりでした。トラックもバスも日本の中古車が走っており、会社の電話番号や会社、路線名などがそのまま塗装されていました。なぜか神奈川中央交通(通称神奈中)と大阪市営バスのバスを見かけたのがとても印象深かったのですが、この神奈中バスは今回のスタッフによる取材でも確認できました。

新車に近い日本車が走るようになったのは、市場開放が進んだ 2011年以降だそうです。ビジネスセミナーが開かれていた現地の高級ホテルの駐車場には、ロールスロイスやベントレー、メルセデス・ベンツ、BMW、日産GT−Rといった高級車がずらりと並んでいます。すぐ近くにはBMWのディーラーもあります。街を行き来する車の様子や激しさを増す渋滞からも、ミャンマーがどうやら急速に経済成長を始めた様子がうかがえます。

ミャンマーの経済をこれからけん引するのは、安価な労働力を背景にした「工場誘致」です。

今回の一連の取材でもおわかりかと思いますが、途上国が自国に外国の工場を誘致できるかどうか、最大のポイントは人件費がどれだけ安いかにかかっています。今回取材したASEAN4カ国では、まずタイが、次にベトナムが、そしていまカンボジアが、安価な労働力を背景に世界中から工場を誘致しました。

ミャンマーも同様です。

ヤンゴンから南東に約20kmのティラワに、2015年9月、巨大なティラワ工業団地がオープンしたのにも、そんな背景があります。経済特区に指定され、すでに49社が進出しています。うち25社が日本企業だそうです。

ティラワ工業団地を運営するミャンマージャパンティラワデベロップメントのプレジデント兼CEOで、住友商事所属の梁井崇史さんにお話を伺いました。