ミャンマー編 まとめ ビルマの竪琴、日本人も殺された軍事政権、そして経済成長 ASEAN諸国との連動は吉と出るか?

夕方のヤンゴンの街に、緑色のバスが走っています。日本を席巻しているSNSサービスLINEのキャラクターが大きくプリントされています。現地の人の話では、ミャンマーでは急速にスマートフォンが普及し、2015年上期だけでも260万台以上が販売されたとのこと。

取材チームがホテルで竪琴(たてごと)の弦をチューニングしている中年男性に話しかけたところ、彼は、スマホを取り出し、ギター用のチューニングアプリを起動させて弦を調節していました。「ビルマの竪琴」も遠くなりにけり、です。LINEのようなコミュニケーションツールが人気を博しているのも、スマホの普及と連動しているわけですね。ちなみに、ミャンマーにおけるSNS市場は、圧倒的にフェイスブック、だそうです。

インフラの未整備。人身取引などの人権問題。NLDが圧勝したことで逆に懸念される政情の不安。ミャンマーの足元にはまだまだ課題が山積です。

それでも、平均年齢28歳、5000万人の市場は、労働力としても、消費市場としても、大きな可能性を持っています。南部経済回廊が整備されれば、安価な労働力と相対的に安い不動産価格をてこに工場誘致はさらに進むでしょうが、南北に長い国土を生かした農業分野での成長も期待できそうです。

ミャンマーは市場開放のタイミングでいえば、今回取材した4カ国の中でも最後発となります。それゆえのハンデも負っています。が、先行者であるタイやベトナムが成長路線に乗ったときは1国単位で市場を開発し、外国と取引しなければならなかったのに対し、これから成長しようというミャンマーの場合(カンボジアも同様ですが)、ASEAN経済共同体AECの発足と南部経済回廊の整備により、国を超え、ASEANが一体となったかたちで経済成長の波に乗ることが可能となります。

南部経済回廊がミャンマーのダウェーに到達したとき、この国がどんなふうに変身するのか、ぜひ訪れてこの目で確かめてみたい、と思います。