5.世界のODAについて

Q13.世界ではどのような国がODAを行っているのでしょうか?

【画像】経済協力開発機構(OECD)の中で、途上国支援について専門的に議論し、検討を行っている組織として、DAC(開発援助委員会)があります。現在(2015年4月)、28カ国と欧州連合(EU)がメンバーになっており、日本が加盟したのは1961年のことです。
OECDとは、加盟国間の意見交換や情報交換を通じて経済成長や貿易自由化、途上国支援という3つに対して貢献することを目的とした組織で、現在34カ国が加盟しています。DACはそのOECD傘下の委員会です。

Q14.日本の貢献度は?

貢献度と言っても、それを測る指標はさまざまですが、ここではODAの実績額(支出純額ベース)を中心に説明します。日本のODA実績は、70年代、80年代を通じて増加、1989年にはアメリカを抜いて初めて「世界最大の援助国」になりました。その当時の援助総額は約90億ドル。その後も1990年を除き、2000年までの10年間、日本は世界最大の援助国でした。
それが2001年にアメリカに抜かれて第2位へ、2006年にはイギリスにも抜かれ第3位、そして2007年には、ドイツ、フランスにも抜かれ、ついに第5位へと転落してしまいました。そして2009年も、第5位のままとなっています。
日本のODA額が減少傾向にある背景には、国内の経済・財政状況が厳しいということがあげられます。しかし世界の援助国は、日本がODA予算を削減しているのとは逆に、2001年にアメリカを襲った同時多発テロ以降、「貧困がテロの温床になっている」という考えから、ODA予算を増加させています。こうした国内要因や国際情勢が、日本のODA実績を相対的に低下させたのです。
援助額が多いことだけが重要ではないかもしれませんが、日本は経済大国の一国として、国際社会の一員として、国の経済規模に見合った援助をしていくことが重要なのです。

主要援助国のODA実績の推移(支出純額ベース)

出典:OECD/DAC
(注1)東欧および卒業国向け実績を除く。
(注2)2009年は暫定値。

Q15.経済規模に見合った援助とは?

国の経済規模に対して、どれぐらいの貢献をしているかを測る指標として「対GNI比」というのがあります。GNIとは国民総所得のことで、国の経済規模を表すものであり、対GNI比とは、国の経済規模に対してどのくらいの割合をODAとして供与しているかを示す数値のことです。
2009年の日本のODA実績をこのGNI比で見ると、DAC加盟23カ国中、0.18%で第21位。これが「国の経済規模に見合った援助」を世界から求められる理由になっているのです。
国際社会では、貧困削減や環境問題など地球規模の課題に対応するために、各国ともGNI比で0.7%のODA量を確保することが求められています。