ODAプロジェクト評価セミナー

JICAでは、開発途上国の援助窓口機関や実施機関で開発事業を担当する職員を対象とする「ODAプロジェクト評価セミナー」を実施してきました。本セミナーは、JICA事業評価、特に事後評価に関する講義やワークショップ、日本国内のインフラ事業等の視察などを通じて、途上国の評価・モニタリング能力の向上を達成することを目標としています。

開発途上国の事業実施機関や監督機関の評価能力向上は、開発事業における途上国側のオーナーシップが高まることにより、JICAが支援する開発事業のより効果的・効率的な実施につながります。さらに途上国の評価能力向上はJICA以外の援助機関が実施する事業への波及効果を期待することもできます。

JICAは、2001年より旧JICAと旧JBIC合同で「円借款プロジェクト評価セミナー」を実施してきました。2011年度からは円借款に加え新たに技術協力も対象にした「ODA評価セミナー」として研修を実施してきました。今回で11回目になる2013年度の「ODA評価セミナー」は11月25日から12月6日の日程で実施され、17カ国、18名が参加しました。研修員はいずれもODAに携わる省庁、機関からの参加者であり、各国の現状を踏まえた、より的確な事業評価・モニタリングを行うための具体的かつ専門的な議論が交わされました。本研修では、講義形式の研修だけでなく、研修員が主体となって課題に取り組むワークショップや日本国内のインフラ事業を対象とした現地視察がおこなわれました。座学とワークショップ、現地視察を組み合わせた研修方法に対し、参加した研修員からは「講義と現地視察との内容がリンクしていて、研修内容の理解が深まった。」、「ワークショップによって、学んだ知識が定着しているか確認することができた。」などの声が寄せられました。

研修員は帰国後、セミナーを通じて得た知識を自国で活用することだけでなく、所属する組織内に広げていくことが期待されており、研修終了半年後に帰国後の活動をJICAへ報告しています。

研修員からは、本研修で得た知識を利用して実施中の案件にモニタリングを導入したインドネシアの事例や、ワークショップを実施し所属機関への情報共有をしたメキシコ、ソロモン諸島などの事例、研修参加者が主体的にプロジェクトの評価実施を実現させたエジプトの事例など、研修参加者の活躍が報告されています。

また、研修員の所属機関においてJICAがプロジェクトを実施している場合も多く、本研修がJICAの実施しているプロジェクトとの相乗効果を上げることも期待されています。本年度研修に参加した研修員の一人は、「本研修で得た知識を活用してプロジェクトに貢献し、JICAとの協力を深めていきたい。」と語っていました。

このような途上国の評価能力向上に対するJICAの取り組みはOECD-DAC評価ネットワークの30年記念冊子でも紹介されています。なお、本研修は今年度をもって終了になりますが、研修に参加した関係者のネットワーク構築を含め、研修参加者を通じた途上国の評価能力向上への支援の在り方について検討していきたいと思います。