防災

JICAの事例紹介

カリブ地域 コミュニティによる独自の防災計画づくりを支援

支援の背景

メキシコ湾の南に位置し大西洋に隣接するカリブ海一帯をカリブ地域といいます。この地域では、ハリケーン、洪水、地震、噴火などの自然災害が多く、特に大型ハリケーンに伴う強風や豪雨は通過ルートに当たる多くの国に繰り返し大きな損害をもたらしています。

この地域は経済規模の小さい国(25カ国、総人口約2億人)が多く、各国が自力でこれらの災害に対処することが難しいため、人的資源、機材ならびに災害予防に関する技術力不足を補うため、カリブ災害緊急管理機関(CaribbeanDisaster Emergency Management Agency、以下、CDEMA )が1991年に設立され、総合的な災害管理機関としての活動を担っています。

JICAの取り組み

【写真】

RT、NTのミーティング

【写真】

災害図上訓練(DIG)

【写真】

現地測量

JICAは、CDEMAならびにCDEMA加盟国に対して、洪水に対するコミュニティ防災能力の向上を図ること目的に、2002年8月から技術協力プロジェクトを実施しています。

現在、このプロジェクトはフェーズ2に入り、フェーズ1(2006年3月に終了)で作成されたマニュアルなどの成果に基づき、JICA専門家チームは、カリブ地域の研究機関・大学で構成され、地域全体を見ることのできるリージョナルチーム(以下、RT)に対して、洪水ハザードマップの作成、洪水早期警戒体制の構築、水文データベースの構築に関する技術的な活動をサポートしています。

また、プロジェクト対象国としてCDEMA加盟国から5カ国選定し、各国のコミュニティの関係機関・民間セクターで構成されるナショナルチームそれぞれに対して、RTと連携してコミュニティ防災計画の作成を支援し、コミュニティ防災能力向上のための住民啓発活動、災害図上訓練活動(DIG)、避難訓練活動を行う手助けをしています。

このプロジェクトにおいてなされる活動が、JICA支援後においても、他の洪水災害に悩まされるCDEMA加盟国に対して継続的に実施され、CDEMA加盟国のコミュニティ防災能力が強化されるように支援することを目指しています。

プロジェクト概要
対象国:セントルシア、ドミニカ、グレナダ、ベリーズ、ガイアナ
プロジェクト名:カリブ災害管理プロジェクトフェーズ2
期間:2009年1月〜2012年12月

タイ コミュニティによる独自の防災計画づくりを支援

支援の背景

タイは、雨期になると毎年のように洪水、地すべり、土石流などの自然災害が多く発生する国ですが、2004年12月のスマトラ島沖地震による津波被害を経験したことで、国内ではますます自然災害に対する危機意識や関心が高まりました。

それまでタイでは、災害が発生した後から対策を行っていることが多く、より被害を少なくするために重要となる、行政や国民が日頃の備えとして防災に取り組むための計画や経験がありませんでした。また、タイ国の防災に関係する多くの組織が連携し、より効果的な防災事業を行なうための仕組みも必要でした。

JICAの取り組み

【写真】

安全な避難ルートを検討する

【写真】

小学校での避難訓練風景

【写真】

防災担当官のミーティング

そこでJICAは、タイの行政に対して防災計画づくりや連携体制づくりを支援するため、また、地域の住民とともにコミュニティ防災や学校防災教育の活動を推進するため、2006年から2008年にかけて「防災能力向上プロジェクト」を実施しました。

このプロジェクトでは、タイの防災行政の責任機関である内務省災害軽減局(DDPM)への支援を行なうとともに、3箇所のパイロットサイトで、DDPMの職員と地域の住民とが連携し、コミュニティ防災や学校防災教育の推進活動を行いました。

プロジェクトを通じて、DDPMの職員は国や県の防災計画を作成するための技術やコミュニティ防災を実施するための技術を学び、行政の関係機関を連携させる取り組みを経験しました。また、コミュニティ防災や学校防災教育の活動を通じて、DDPMや教育省の職員が地域の住民とともに防災事業に取り組み、行政と住民の良好な関係を築くことができました。

こうしたプロジェクトの成果を普及するため、現在JICAは「防災能力向上プロジェクト(フェーズ2)」の準備を行っています。フェーズ2では、DDPMのさらなる体制の強化と技術の向上を図ることで、中・長期的な防災事業の実施と推進を、DDPMが独力で行えるようになることを目指します。

プロジェクト概要
プロジェクト名:タイ国防災能力向上プロジェクト
期間:2006年8月〜2008年8月