経済政策

JICAの事例紹介

【財政・金融】東部アフリカ「地域税関能力向上プロジェクト」

東アフリカの状況に合わせた税関業務システムを構築することによって域内の物流促進を目指す

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ケニア〜タンザニア間の国境施設

ワンストップボーダーポスト(OneStop Border Post:OSBP)とは、税関の手続き共有化・業務効率化の流れのなかで注目されている通関業務運営方式の一つです。通常出国側、入国側でそれぞれ輸出入の手続きを要するところを、OSBPでは1回で済ますことによって国境を通過する物資の滞留時間を短縮し、物流の促進を図るものです。すでに世界各地の陸上国境でOSBPシステムは活用されていますが、国により経済・政治・社会状況は異なることから、国境を接する隣国同士であっても、その形態は一様ではありません。本プロジェクトでは、東アフリカの状況に適応したOSBPシステムが適切に機能するよう、カウンターパート機関であり、またEAC(EastAfrican Community)加盟国でもあるケニア・タンザニア・ウガンダ各国の歳入庁の税関業務能力を向上させ、当該地域の物資輸送・流通の効率化の促進に貢献することを目的としています。

東アフリカ地域諸国では、マクロ経済の安定と経済成長による持続的な貧困削減を国家戦略の優先事項とし、輸出産品の多様化と安定的な供給、貿易の促進、国内マーケットの強化、流通の促進といった政策を打ち出しています。国際貿易を活性化していくためには「より多くの物資を、安全に、より早くより安価に運ぶこと」が重要な課題です。

フィリピン 優遇税制分析調査

優遇措置の活用実態を把握、改善策を提案

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最終報告書

フィリピンでは、教育、保健、環境などの公共サービス分野で、免税、税控除、税還付などの優遇措置を設けています。しかし、フィリピン政府は、優遇措置の活用状況、税収のロス、政策目的の達成状況を把握できていませんでした。そこで、JICAは、活用実態を把握し、優遇税制の効果的・効率的な活用に向けた改革提言と行動計画を策定することにしました。

実態調査の結果、優遇措置の約40%が活用されていないうえ、モニタリングも行われていないため、税収ロスなどの推計ができない状況にあることがわかりました(入手可能なほかの統計資料を用いた推計では、NPO、協同組合の法人税免税や高齢者のVAT免税が最も税収ロスが大きいという試算結果が得られています)。また、監査・監督機能が弱く、優遇措置の目的外の活用や濫用を招き、政策目標の達成の観点からも非効率的な状況となっていることも判明しました。

改善策として、監査、税務調査の実施、関連省庁間での情報共有、租税支出の情報公開、優遇措置の適格性の確認などを含むガイドラインの整備やサンセット条項(注)の導入などを提言しました。これらの提言はレポートとしてまとめられ、政府職員、国会議員、NPOなどを招いたセミナーで発表されました。今後、提言内容が生かされることを期待します。

(注)一定期間後に自動的に優遇措置が消滅する仕組み。