水産

JICAの事例紹介

モロッコ 小型浮魚資源調査能力強化プロジェクト

日本の技術を生かした水産資源の調査と評価

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音響調査中の調査船

水産資源の持続的利用はSDGsの一つ。本プロジェクトはその鍵となる水産資源の調査と将来予測に取り組みました。

調査結果は資源管理指針に

モロッコ沿岸部ではイワシ・アジ・サバなど、海の表層・中層を回遊する小さい魚類(小型浮魚)の資源量が豊富であり、零細な漁民や加工業者の生計を支えています。しかし、小型浮魚の資源量は大きく自然変動するという特徴があり、所得と雇用の安定のためには、資源量把握と今後の変動予測が不可欠です。

広い海の中を自由に泳ぎ回る魚を正確に計測するには高度な技術が必要です。日本はこれまでも資源調査船の供与や調査機器活用のための専門家派遣を行い、モロッコの調査能力の向上を支援してきました。その結果、モロッコでは難易度の高い音響調査が可能となっています。

音響調査とは特殊な魚群探知機で、魚群からの反射波のデータを解析し、その魚群を構成する魚の種類と量を推定する方法です。個々の魚ごとに異なる反射波データの特定が非常に重要ですが、モロッコではこれまで欧州で使われている近縁種のデータを借用していたため、資源評価の精度に問題がありました。そこでプロジェクトでは、海中での試験や研究室での実験を行い、モロッコの漁業が対象としている小型浮魚のデータを明らかにしました。

さらに、資源量を年齢別に解析することで今後の資源変動の予測にもトライしました。水産生物学、音響調査、統計学といった分野での横断的な活動がスタートし、個々の研究者と組織の能力が大きく向上しました。活動の成果は小型浮魚の資源管理指針としてまとめられ、持続的な資源の利用に貢献しています。