水産

水産

海や河川、湖沼の恵みである魚介類は、開発途上国の人々にとって比較的安価に入手できる貴重な食料です。国連食糧農業機関(FAO)の統計によると、多くの開発途上国で、動物性タンパク質摂取に対する魚介類の割合は20%を超えています。水産業は、土地や安定した収入源を持たない人々にとって、食料確保や生活の安定のための重要な手段となっています。特に貧困層や女性にとっては貴重な生計手段でもあります。また、世界の水産物輸出のなかで開発途上国の割合は金額で54%、輸出量(原魚換算)で60%(2012年)を占めており、開発途上国の経済にとって重要な外貨収入源であるといえます。

世界の水産物の生産量は、1億6,700万トン(2014年)ですが、1990年代以降、海面漁業の生産量は頭打ちになっており、海洋水産資源の利用はほぼ上限に達しています。近年は、漁業生産量の停滞を補完する形で養殖業の生産量が増大し、全生産量の4割を占めるまでに至っています。しかし、現在の養殖業は、種苗や餌を天然魚に依存し、養殖場の造成等により沿岸生態系に影響を及ぼすなど、持続的な生産拡大には課題も残されています。

水産資源の保全と管理を図りつつ、持続的成長と貧困削減を推進していくことが水産協力の大きな課題となっています。