情報通信技術

JICAの事例紹介

フィジー 南太平洋大学ICTキャパシティビルディング

衛星通信ネットワークの整備で遠隔教育を充実

JICAは南太平洋の12カ国が共同設立した南太平洋大学を支援しています。すでに学生の48%が遠隔教育を受講していますが、さらに衛星通信ネットワークを充実し、離島でも高度な教育を受けられるようになりました。

南太平洋大学は、1969年に地域島嶼国12カ国(フィジー、バヌアツ、ツバル、トンガ、トケラウ、ソロモン諸島、サモア、ニウエ、ナウル、マーシャル諸島、キリバス、クック諸島)が、それぞれ資金を拠出して共同設立した域内最高水準の国際高等教育機関です。南太平洋大学は、フィジーの首都スバの本校舎に域内各国から留学生を受け入れるとともに、地域の地理的条件に配慮して域内各国の学生に対し衛星通信を利用した遠隔教育を実施しています(2011年度在校生数約22,000人のうち48%が遠隔教育により授業を受けています)。

また、情報通信技術関連教育の充足を図り、増加する学生に対応するため、日本の無償資金協力により、大洋州における情報通信技術の中核施設となる「Japan-Pacific ICTセンター」と「多目的講堂」がスバに建設され、2012年2月に正式オープンしています。

大洋州地域は高等教育機関が少なく、南太平洋大学の遠隔キャンパスが唯一の高等教育機関である国も少なくありません。そのため、域内の人々に高等教育の機会を提供し、その質を向上させるため、学士号プログラムの支援や衛星通信ネットワークの強化、遠隔教育システムの改善、Japan-Pacific ICTセンターの有効活用などを目的とする技術協力プロジェクト「南太平洋大学ICTキャパシティビルディングプロジェクト」を2010年2月〜2013年1月まで実施しています。これまでアクセスが困難だった離島部にも衛星アンテナが設置され、各国の本島と同様の遠隔教育を受講できるようになり、学習環境の格差(デジタル・デバイド)が解消されています。

画像

左上:トンガのババウキャンパスにおける衛星通信ネットワークを用いた遠隔教育風景。
中央:南太平洋大学スバ本校での講義風景。右上:南太平洋大学の衛星通信ネットワーク。

インドネシア 情報セキュリティ能力向上プロジェクト

サイバー攻撃から社会を守るために

開発途上国もサイバー攻撃への対応というグローバルな課題に直面しています。JICAは、インドネシア政府のサイバーセキュリティ対応能力の向上を支援しています。

安全なサイバー空間の実現に向け他のASEAN諸国と連携

インターネットの急激な普及や、業務でのICT活用範囲の拡大に伴い、サイバーセキュリティに関する対策の必要性は日増しに高まっています。特に、政府機関や民間企業などを標的にしたWebサイト改ざん、機密情報の外部流出等を狙う行為であるサイバー攻撃の被害が国際的に増加しています。サイバーセキュリティ対策が不十分な国は、サイバー攻撃に対して脆弱なだけでなく、サイバー攻撃の発信元や経由地点(踏み台)として利用されているという状況もあります。
このような背景から、インドネシア政府は2007年よりサイバーセキュリティ強化に取り組んでおり、JICAは2014年7月から、同国政府機関の情報セキュリティ体制の強化、技術力向上、ASEAN諸国との連携強化、啓発活動についての支援を行っています。
サイバー攻撃は主にインターネットを介して行われることから、一国だけでの対策には限りがあります。プロジェクトはASEAN諸国との連携を重視しており、地域内でも特にサイバーセキュリティ対策が遅れているカンボジア、ミャンマー、ラオスの担当官を対象とした研修や意見交換会を実施するなど、ASEAN地域全体のサイバーセキュリティレベル向上にも貢献しています。

【画像】

プロジェクトの主催でカンボジア、ラオス、ミャンマーのセキュリティ担当官を対象としたセキュリティ研修を実施

【画像】

研修で最新のサイバー攻撃の内容を解析