自然環境保全

JICAの事例紹介

エチオピア「ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画 フェーズ2」
(住民による自然資源の持続的利用)
2006年10月〜2010年9月

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エチオピア南西部に位置するベレテ・ゲラ森林優先地域は、同国に残された貴重な森林生態系です。しかし、人口増加による不適切な農地開発や過度の森林伐採等の経済活動の結果、森林の質の劣化、森林面積の減少が進んでいます。このため、森林生態系保全のための早急な対策が求められていました。

2003年から始まったフェーズ1では、現地語でWaBuBと称される、住民による森林管理組合の組織化を通じ、パイロットエリアで住民参加の森林管理の基本的な枠組が整備されました。続いてフェーズ2では、このWaBuBによる参加型の森林管理体制をベレテ・ゲラ森林全体に普及するため、森林管理組合の設立や森林管理の実施のための関係者の能力強化の他に、地域住民の生計改善に取り組んでいます。特に、森に自生するコーヒーはプロジェクトの支援でフェアトレードの認証を取得し、住民の生計向上に貢献しています。

マレーシア「ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム協力(フェーズ2)」
(生物多様性の保全)
2007年10月〜2012年9月

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マレーシアサバ州には、東南アジア最高峰のキナバル山やアジアゾウの生息する低地熱帯林、汽水域のマングローブ林など、世界的に多様な生態系と生物相が見られます。

しかしながら、ボルネオ島の熱帯林は、伐採やプランテーション開発により急速に減少しており、保護区の面積率も低く、近年、森林の減少とともに、絶滅危惧種が多くなっています。

このため、サバ州における生物多様性と生態系を保全するためにマレーシア政府から日本政府に対し技術協力の要請があり、JICAではこの要請を踏まえ、主に熱帯雨林やマングローブ林から成る陸域生態系を中心に、研究・教育、公園管理、環境啓発等を支援する「ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム」(フェーズ1)が2002年2月から2007年1月まで5年間実施されました。

更に現在実施中のフェーズ2(2007年10月から2012年9月)では、フェーズ1の活動によって培われた現場活動の成果を基盤に、これらをサバ州の行政制度に反映させるべく、サバ州生物多様性条例で定められた生物多様性センターの機能強化に注力し、現場での保全活動を推進する為の行政制度の体制強化に取り組んでいます。

2008年にラムサール条約の登録湿地に指定されました。

ガボン「野生生物と人間の共生を通じた熱帯林の生物多様性保全」
(生物多様性の保全)
2009年9月〜2014年9月

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コンゴ盆地は、アマゾンに次ぐ世界第2位の熱帯林で、ゴリラをはじめとする希少種が住む生物多様性に富んだ地域です。しかし、2040年までに70パーセントが消失すると警告されており、早急に保全すべき熱帯林の一つになっています。

このプロジェクトは、ゴリラなどの霊長類の貴重な生息地として知られているムカラバ・ドゥドゥ国立公園にて、自然資源の価値を科学的に解明して、優先的に保全すべき生物種、生息地、生態系を明らかにしていきます。そして、地域住民への環境教育を通じて生物多様性の住民参加型持続的管理方法を普及することを通じて、貴重な自然環境を守っていきます。

ブラジル「アマゾン森林保全・違法伐採防止のためのALOS衛星画像の利用プロジェクト」
(持続的森林経営)
2009年6月〜2012年6月

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アマゾン熱帯雨林は、広大な面積を持ち、多様な生態系で有名です。しかし、その生態系を脅かす行為の一つに、違法伐採があります。このため、ブラジルの連邦警察は違法伐採を取り締まっていますが、1年の半分近く厚い雲に覆われているため、これまでの光学系の衛星カメラでは、現場を発見したり、証拠となるデータを得たりすることが出来ませんでした。

日本が2006年に打ち上げた地球観測衛星「だいち(ALOS)」に搭載されたレーダーによって厚い雲があっても地表の様子を監視する事が可能になりました。JICAは、この新しい技術を活用しながら、ブラジル国側の人材育成をテーマに、連邦警察との連携を行っています。

インド「タミールナド州植林事業」
(持続的森林経営)
1997年2月〜2005年5月(第1フェーズ)

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JICAは円借款により、政府と住民が協力して実施する共同森林管理制度による植林事業を支援しており、本案件ではタミールナド州内の約43万ヘクタール(東京都の約2倍)に及ぶ荒廃森林を対象に、1,200村で住民の参加による植林と森林管理活動が実施されました。

住民ニーズを取り入れた植林に加えて、村落道路、ため池等のインフラ整備や、野菜花卉栽培等の生計向上活動を同時に行うことにより、違法伐採・放牧等による森林への圧力が軽減され、森林を持続的に管理できるようになりました。なお、当事業で造成された海岸林は、2004年のインドネシア・スマトラ島沖大規模地震によるインド洋津波の際に、沿岸部の被害軽減に貢献したことが確認されています。

他のプロジェクトの情報については、以下から入手できます。

また、プロジェクトの報告書をご覧になりたい方は、JICA図書館のポータルサイトにて入手できます。