社会保障

JICAの事例紹介

タイ 要援護高齢者等のための介護サービス開発プロジェクト(LTOP)

急速な高齢化に対応し介護サービスのモデルを開発

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高齢者の生活状況を調査するプロジェクト関係者

「高齢化対策先進国」としての日本の経験を踏まえ、JICAはタイに適した介護サービスのあり方を共に考えています。

政策提言の作成、共有へ

タイでは、文化的、伝統的な背景から家族による介護が中心でしたが、都市部への出稼ぎや核家族化が進み、介護を必要とする高齢者やその家族を支える社会サービスの整備が喫緊の課題です。

このプロジェクトでは、都市部と農村部で6カ所を選び、地方自治体、医療機関、地域のボランティア等の連携を通じて介護が必要な高齢者のケアプランを作成し、一人ひとりの高齢者に適した介護サービスを実施するモデルを試行しています。

定期的なモニタリングの結果、訪問介護の内容が高齢者のニーズに沿ったものになり、日常生活上の動作能力が向上したといったポジティブな効果も確認されるようになりました。また、日本やタイ国内での研修を通じ、介護サービスを提供する人材の養成にも取り組んでいます。

今後、このプロジェクトで得られた知見が介護政策に反映されるように提言をまとめるとともに、高齢化が進む他のASEAN諸国とも共有していきます。

ルワンダ 障害を持つ元戦闘員と障害者の社会復帰のための技能訓練及び就労支援プロジェクト

共に働き、共に生きるために

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元訓練生が立ち上げた電気工事組合はメンバー9名のうち4名が障害者。携帯電話の修理等を行っている

1990年代初めに内戦があったルワンダでは、元戦闘員の武装解除が進められるなか、障害のある人の社会復帰が大きな課題となっていました。JICAは2005年から元戦闘員をはじめとする障害者に就労の機会を提供し、社会参加と共生を実現することを目指しています。

2,500人を超える障害者が訓練を修了

プロジェクトでは、ルワンダ政府の動員解除・社会復帰委員会とJICAが協力し、障害を持つ元戦闘員をはじめとする障害者に、縫製、電気、配管工事などの技能訓練を行ったほか、就労の場を増やすための協同組合の設立や運営方法に関する指導も行いました。同時に、スロープの設置やトイレの改善などにより、施設のバリアフリー化を進め、障害者が参加しやすい訓練環境を整備しました。

このような取り組みの結果、先行プロジェクトと合わせて2,500人を超える障害者が訓練を修了し、そのほとんどが、訓練で得た知識・技能を生かした経済活動を行っています。内戦時には敵同士だった元戦闘員が一緒に協同組合を設立する事例もあり、歴史的・文化的に多様な背景を持つ人々の相互理解が促進されています。さらに、訓練を受けた障害者が、技能を地域の人々とも共有し、地域社会に貢献することによって、地域の人々の障害者に対する認識に大きな変化も表れ始めています。

このプロジェクトを通じて、障害者が技能を取得することは、障害者の社会参加とともに人々の障害に対する意識の変容も促すこと、また、多様な背景を持つ人々が共に活動を行うことは、紛争後の復興プロセスにおける和解・相互理解の一歩となることが確認されました。今後はこれらの教訓を、他の国・地域における支援にも生かしていきます。