チャイハネ

第14話「カブール再生への挑戦(2)−コンサルタントの「日本連合」−」

3月下旬、日本からのコンサルタントチームがカブールに到着し「カブール首都圏開発調査」が開始されました。今回は、そのチームの総括であり、日本の地域計画コンサルタント屈指の存在である橋本強司さんにお話を伺いました。

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橋本強司さん:世界中の都市計画を手がけてきた。

嶋田:
今回はおよそ20名規模の調査団の総括ですが、以前にもこのような大規模のチームを総括した経験ありますか?
橋本:
80年代後半、トルコ政府から受注した「南東アナトリア地域総合開発計画」では、60名に及ぶ多国籍チーム(日本、米国、英国など)を率いました。38、9歳の頃でしたが、原因不明の爆発に巻き込まれそうになったり、1週間水が出なかったりといろいろありました。そういえば、イラン・イラク戦争下でたまにロケット弾が飛んでくるバグダットで仕事をしたこともあります。ここアフガンでも治安への不安はいつも付きまといますが、そんな時は「判断は科学である」という言葉を思い出します。それは、集めた情報をもとに分析を行えば自ずと対応策は出て来るという意味です。
嶋田:
そのような経験をされていても、やはり多くの人々を束ねるのはとても大変なことだと想像しますが?特に今回の調査団の皆さんの肩書きを見ると、それぞれの会社の代表取締役、執行役員、それに博士号を持っておられる方も少なくない。それに正直、「アフガン」と聞いてみなさんが喜んで来ている訳でもないのでは?
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プロジェクトオフィスで執務中

橋本:
今回の調査団はコンサルタントの「日本連合」だと思っています。そして私は総括として、「仕事をまとめる」というよりも「人をまとめる」というのが任務であると思っています。今回の調査団もそうですが、みなさん仕事は自分でどんどんできる方々です。ただ経験がある人たちだけに、逆に自分の判断を優先させるという危険性もある。「カブールは他の土地とは全然違う場所である」と皆さんには言っています。具体的には、買い物にもレストランにも、さらに自由に現地調査にも行けないという行動規制がある土地での仕事は私も含め初めてです。このような環境は開発コンサルタントにとっては、本当にストレスがたまることは確かです。ただ「アフガン」へ来るのに後ろ向きの団員は居ないはずです。ご家族等の反応はまた別かもしれませんが…。みんな前向きに捉えています。
嶋田:
橋本さんご自身のアフガニスタンとの関わりについて教えてください。
橋本:
今回の案件の基礎になった2005-06年に実施した、カブール首都圏の都市計画を策定するプロジェクト形成調査が最初の関わりです。実はそれ以前もJICAやJBICのアフガニスタン案件には入札していたのですが連敗続きでした。それもあって、最初にカブール空港に降り立つ前はワクワクして、実際に到着した時は本当にうれしかったです。ただ最初は、内戦で破壊された街の様子を見て「かわいそう」と思いました。でもしばらくすると、カブールの良さが分かってきました。ゲストハウスの屋上から見るこの街は、農村的雰囲気をまだ残しており綺麗です。今回は私も含め6名の都市計画屋が調査団にいますが、各人がそれぞれの見方でどのような将来のカブールを描くのか楽しみです。

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コンサルタントの「日本連合」!カブールの将来像はこのチームから生まれてくる!

【インタビューby嶋田晴行 アフガニスタン事務所】