この目で見たアフガニスタン −人、風景そして希望−

第3回 「バルフ州 アタ知事に聞く」

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アタ・モハマド・ヌール。ビジネスマンの家庭に生まれ、マザリ・シャリフ高校卒業後19歳の時に、ソ連と戦うために聖戦に参加。その後タリバンとも戦う。現在バルフ州知事として、復興と治安回復に尽力し、帰還兵の社会復帰プログラム、非武装化プログラム、建設復興の拡大、青少年の将来のために高等教育の充実などプロジェクトを推進。アメリカベルフォード大学から学士称号を授与。

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マザリシャリフ市の中央にそびえるブールーモスク

バルフ州はアフガニスタン北部のほぼ中央に位置し、マザリシャリフ市を中心とする人口約100万人の州です。州の北側を流れるアムダリア川を挟んで隣国ウズベキスタンと接する国境の州でもあります。JICAは2004年3月よりマザリシャリフ市に連絡事務所を開設し、バルフ州への支援を強化してきました。この度、バルフ州のアタ知事に直接お話を聞く機会に恵まれました。バルフ州の復興や日本の協力について率直なご意見を伺うことができました。

全能なるアッラーの御加護により、バルフ州の治安は保たれています。我々はバルフ州の復興にむけて努力をしています。各国からの支援を受け道路の改修、学校建設、排水路、架橋、灌漑施設などの建設を実施しています。また、約6平方キロメーターにわたる広大なバルフ大学の敷地内に、パキスタンの支援で工学部を建設中です。また世界銀行から500万ドルの支援を受け、学生寮、水道、図書館も建設しています。アフガニスタン政府からの1000万ドルの開発資金により経済学部、宗教学部の建設と、マザリ・シャリフ市内の電力ケーブルの配線、配電所の建設を行っています。

2006年には211の学校建設、2007年に91の学校建設を行いました。今年はさらに多くの学校建設を予定しています。その他に、治安の確保、政府職員の能力向上、市民サービス改善などをすでに始めています。

復興支援においては、安全の確保に一番の重点を置きながら、国家開発計画に基づき適切な事業推進を行っています。バルフ州は、国内外からの専門家の支援により、州開発5カ年計画も策定しました。この州開発計画では、郡・村落レベルの開発、マザリ・シャリフ市4ヵ年開発計画をも網羅しています。この開発計画策定段階では、関係者といくども協議を重ね、優先されるべき案件を精査し、実現性の高い計画になっています。この開発計画は8つの分野を、1.短期的な視点で緊急性の高いもの、2.中期的な視点によるもの、3.長期的な視点によるものと、開発レベルを3段階に分けて構成されています。ドナーからの支援が得られれば、この開発計画の実現はますます加速されるものと考えています。

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平和な市民生活が営まれている。

上記の開発計画にも関連しますが、プロジェクト活動や計画を推進していく上で、最大の支援国は日本国民の皆さんであり、またアフガニスタンで数々の活動を推進しているJICAであることは言うまでもないことです。このバルフ州では、JICAは最大の支援組織であります。日本国民の皆さんの理解、日本大使館やJICA事務所により、市内主要道路の建設、学校建設、女性の経済活動の活性化支援、保健医療や教育プロジェクトなどの積極的な支援に対し、この場をお借りして厚く感謝の意をあらわしたいと思います。特に、JICA事業は非常にクオリティが高く、常にアフガニスタン国民への配慮がなされており、復興に不可欠な事業が選択されていることを高く評価しています。

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町から少し行くとすぐにのどかな田舎の風景が広がる。

数多くの事業を推進しながら、県民のために忙しい日々を過ごしています。アフガニスタンの国民は、おおよそ30年に渡りまともな法の秩序の元に安心して生活できたとはいえません。特に貧困層は不当な労働を強いられ搾取されてきました。私はこれらの状況を早急に是正し、法の秩序が保たれ、人々の様々な要求にこたえるためにも、なおいっそう仕事に邁進する必要があると考えています。この州の治安確保、開発の推進、子供たちが安心して学校に通学でき、机やいすなどの必要な教育環境を整備し、優秀な教師を確保するなど、多くのことを実行していかなければいけません。
このような忙しい時間のなかで、唯一、家族と過ごす時間、運動をすること、読書などがリラックスの一時となっています。

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アタ知事との昼食会

最後になりますが、日本国民の皆様方にお伝えしたいメッセージがあります。
優秀な日本国民の勤勉さに敬意を表し感謝します。アフガニスタンの明るい将来と発展のために、平和構築、民主主義の確立のために、引き続きの支援をお願いし、アフガニスタンを世界から孤立させないでいただきたいと思います。これまでのJICAの協力に対して深く感謝していますが、未だアフガニスタン全体を考えれば、すべての人々が安定した生活をしていくには、更なる支援をいただく必要があると考えています。
私はバルフ州の治安を安定させ支援しやすい環境が整うように努力いたしますので、どうぞバルフ州のために多くのプロジェクトを通じて支援していただきいと思います。

【インタビューbyラウーフ・アジズ】