似ているようで似ていないバルカン人

2011年1月21日

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白熱したPCM実習

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笑顔と共に4日間の研修めでたく終了

「モトコは何年プロジェクト協力を知っているんだい?オレなんか1年半も知っているんだぞ」。「ワタシだってずっと前から知っているわよっ」。

いやはや、つい声を大にし、顔を真っ赤にし、自分の意見を正当化するスタッフAとの間で売り言葉に買い言葉になってしまいましたが、お互いいい歳をして口げんかしているわけではなく、真剣に意見交換をしている真っ最中のひとこまです。

欧州セルビアの首都ベオグラードにあるJICAバルカン事務所で昨年12月にバルカン地域6カ国中4カ国から事務所スタッフやセルビア政府関係者が集まって、朝9時から夕方5時まで4日間みっちりと質の濃いプロジェクト・マネジメント・サイクル研修、通称PCM研修が催されました。

PCM研修の特徴は、ひとつの問題に対して多くの関係者が意見交換しつつ分析を行うことで、これを私たちは参加者分析と読んでいます。

従って、参加者それぞれの経験や国が違うと、当然ひとつのものに対する見方が少しずつ違ってくるので、違うことを前提にどうしたらお互いが理解して歩み寄れるのかがポイントとなります。

「バルカン」とひとくくりにされる地域なのにもかかわらず、国が異なると国民性も変わるものです。この地域で良く話されている冗談にも「倹約家なスロベニア人、気取るクロアチア人、ボス気取りでも人がいいセルビア人、遊び好きなモンテネグロ人、聞き上手だが話をあまり覚えていないボスニア・ヘルツェゴビナ人、お人好しなマケドニア人、何事にも情熱的なアルバニア人」と、各国のユニークな国民性が登場します。この様に語られているお国柄の参加者と4日も同じグループの中で意見交換を続けていると、これら国民性に加え、個人の性格も顕著に現れてきます。

ごり押ししてまでも自分の意見を通そうとするタイプの人。意見を持たない日和見主義の人。そして押し黙っていれば問題解決されると信じ沈黙してしまう人。問題解決に向けて正解を求めるがばかり議論が白熱あるいは混とんとしてきたなか、状況を見守ってくださっていた講師の高橋さんが助け舟を出してくれました。「研修なので、正解はないのですよ。参加型研修として皆が納得することが大事なのです」。

JICAのプロジェクトを作成していくためには、プロジェクトに関係するいろいろな立場や考えの持ち主と意見交換を自由に行ない、彼らの意見を生かす「参加型」の方法が取られていることが必須となっています。

今回のPCM研修を通して学んだプロジェクト作成方法ですが、単に仕事のためのツールということだけではなく、実は身近な生活の問題にも応用できます。例えば、「どうしたら〇〇さんとコミュニケーションを上手に取ることが出来るのか」、「どうしたらより早く〇〇Kg痩せる事が出来るのか」などです。私は、記憶が新しい間に研修で受けたPCMの教科書、メモを片手に自分なりのプロジェクトをたててみました。これを読んでPCMに関心をお持ちの方がいらっしゃったら、当事務所にご連絡いただくか、インターネット上で検索してみてください。プロジェクトの作成手段に対して更なる知識が備わるはずです。

同じ事務所のスタッフとして各国に駐在しながら共同作業を行っている異国籍のスタッフ達が今回の研修を通しコミュニケーションを図れたことは、各人が今後より良い相互協力をしてJICA事業に関わっていく上で貴重な経験となりました。

末筆ですが、本研修実施にご協力頂いた本部関係者を初め、バルカン事務所職員の方々そして似ている様で似ていないバルカン人達の様々な質問に根気よく丁寧に指導をして下さった講師の高橋さんにお礼を申し上げます。

バルカン事務所
片山 元子