JICA初のEBF借款のディスバース実行:日系ディベロッパー企業とバングラデシュ政府の合弁会社設立を支援

2020年3月17日

国際協力機構(JICA)は、3月17日、バングラデシュ経済特区庁(BEZA)が実施する「外国直接投資促進事業」に対して、全世界でJICA初のEBF(Equity Back Finance)円借款の融資金払い込み(ディスバース)を実行しました。本事業では、住友商事とBEZAが共同出資により特別目的会社(SPC)を設立し、バングラデシュ初の日系製造業を中心に見据えた経済特区の整備を進めております。

EBF円借款とは

近年、開発途上国のインフラ事業において、官と民が連携することで、公共性の高い事業をより効率的・効果的に行うことを目指す「PPP(Public Private Partnership)方式」を導入する動きが拡大しています。JICAは、2013年10月に「PPPインフラ整備促進に向けた円借款による包括的支援」を開始し、その一環として、EBF(Equity Back Finance)円借款を導入致しました。EBF円借款とは、日本企業と途上国政府が共同出資により特別目的会社(SPC)を設立し、同SPCを通じてインフラ整備を行う場合に、途上国政府が支払う出資金の原資をJICAが融資(バックファイナンス)する制度です。

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「バングラデシュ経済特別区」とは

JICAは、「外国直接投資促進事業」の実施を通じて、住友商事とバングラデシュ経済特区庁(BEZA)が共同で開発を進める「バングラデシュ経済特別区(通称:日本経済特区)」の開発を包括的に支援しております。「バングラデシュ経済特別区」とは、ナラヤンガンジ県アライハザール地区(ダッカ中心地から約30km)にて建設が進められている経済特区であり、2019年12月に住友商事とBEZAが共同出資により設立した特別目的会社である「Bangladesh SEZ社」が同経済特区の開発・販売・運営等を担います。

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「バングラデシュ経済特別区」に対するJICA支援

JICAは、1)BEZAからBangladesh SEZ社への出資金払込みに係るバックファイナンス供与(Equity Back Finance)、2)経済特区の土地造成工事及び周辺インフラ開発に係る円借款供与、3)入居企業へのツーステップローンの供与、を通じて、同経済特区開発を包括的に支援しております。本事業は、2013年10月JICAが新規導入したEBF借款の第一号案件となります。

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バングラデシュ経済特別区に対するJICA支援 スキーム図

2013年度に新制度が導入されて以降、7年の時を経てEBFの第一号案件がディスバースされ、最終的に日系ディベロッパー企業の投資を呼びこみ、日系製造業を中心に見据えた経済特区の建設にPPP向け円借款が活用された意義は大きいと自負しております。JICAは、今後もPPPインフラ整備促進に向けた包括的支援を継続致します。経済特区開発に限らず、電力・エネルギー開発、運輸インフラ開発、上下水開発等の分野でPPP方式によりインフラ整備を計画される日系企業様で、JICAの支援をご検討頂ける場合には、JICAバングラデシュ事務所までお気軽にご相談を頂けますと幸いです。

JICAバングラデシュ事務所(代表アドレス)
メール:bd_oso_rep@jica.go.jp
電話番号:+880-2-9891897
担当:経済班民間セクター開発担当者