算数の授業 小田隊員の場合

2019年9月20日

青年海外協力隊(小学校教育)の小田です。私のセツワナネームは「ガヒーソ」=「平和」という意味です。国歌の中にも出てくる単語で、私も気に入っています。
私は現職参加制度を利用し、三重県津市の小学校を休職して青年海外協力隊に参加しています。

まず、私の配属先について紹介します。首都のハボローネから15kmほど離れた村にあります。首都のベッドタウン的な地域にあたり、ボツワナの中でも大きな規模の学校です。全校児童約830名、1~7年生まで各3クラスあります。
気になる子ども達の成績は、この地域の中で上位に入っており、人気の小学校だそうです。来年度の入学にあたり、定員を上回る子どもの親御さんが申込受付初日に訪れたものの、先着順のため残念ながら入学が叶わなかった方が多くいたと聞きました。

さて、前回、浅野隊員がボツワナに「なぜ算数教育が必要か」ということを話してくれたので、早速、私の計算力アップのアプローチについて紹介します。

私の配属先は、ボツワナの中で決して「できない方ではない」らしいことは成績から分かるのですが、では、計算がみんな得意なのか、九九は暗記できているのかと問われると、全くもってそうではありません。残念ながら、下の写真のように5、6年生になっても丸や棒を描いて数を数えている子どももいます。筆算も苦手な子が多いです。

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そこで、私が取り入れたのは、「フラッシュカード」と「九九の暗唱」です。この二つは、どのクラスでも必ず最初にやっています。そして、休み時間を利用して生徒一人ひとり九九の暗唱テストを行っています。

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九九暗唱テストチェックシート

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神経衰弱(九九暗記用)

下の表は、3、5、6年生を対象に四則計算の小テストを行った結果です。それぞれの問題に対して、正答率を算出してあります。

どの学年も、足し算の正答率は高く、引き算、掛け算、割り算と進んでいくと正答率が下がっていきます。

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そして、学年が上がるとなだらかではあるが、正答率も上がっているという点に注目すると、今までの勉強法でも学年が上がると力がついている。ならば、もっとやり方を工夫すれば、もっと力がつくのではないかと考えました。

ということで、昨年度の成果にはなりますが、10月と11月の2ヶ月間に3年生クラスで3回四則計算の小テストを行ったところ、20点満点のテストの平均得点が回を追うごとに上がっていたのがお分かりになると思います。

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次回は、工夫満載の井上隊員のアプローチ方法を紹介します。お楽しみに。