算数の授業 井上隊員の場合

2019年9月24日

小学校教育隊員のNALEDIこと井上です。NALEDIの意味は「星」です。同僚がこの名前を私に付けてくれました。私は福岡県の小学校を休職して、ボツワナの小学校で活動しています。ボツワナでは、2年生から7年生に、算数を教えています。

ボツワナの小学校の算数の課題として、四則計算ができないことが挙げられます。そのため、新しい単元を学習しても、四則計算に時間がかかるため、新しい単元の習熟のために十分な時間を取れません。そこで、私はまず、基礎学力の定着を目指した授業を行うことにしました。子ども達に算数を楽しみながら学んでほしいという想いから、立ったり、座ったり、動いたり、声を出したり、五感を使って学べる授業を考えました。これは特に低学年の子どもたちは座ったまま授業を行うより、活動を含んだ方がよりよく覚えられるからで、例えば5の倍数や10の倍数を唱える時には足踏みさせたり、唱え終えた時には手を挙げさせたりします。

また、掛け算の覚え方がないボツワナで、掛け算の歌を作り、子どもたちに教えました。童謡「きらきら星」のメロディーに合わせて「Two One Two, Two Two Four, Two Three Six…」(2x1=2, 2x2=4, 2x3=6…)と2の段を覚えます。

また、2年生から7年生まで一人一人に掛け算チェックシートを配り、掛け算を覚えたかどうかを確認しました。学級のほとんどの児童が掛け算を覚えたら、100ます計算に挑戦させました。子ども達は、確実に、そして速く掛け算を解くことができるようになっています。

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掛け算チェックシート

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100ます計算

他にも、子ども達が苦手分野を克服できるように、様々な教材を作り、教えています。例えば時計です。ボツワナの子ども達は、時計を読むことが苦手です。そのため時計の読み方の教材を作り、リズムよく唱えるという方法を使って習熟を図りました。

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時計1

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時計2

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時計3

他にも、各学年に応じたフラッシュカードなどの教材を作り、算数の基礎用語を何度も復習させました。

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これまで作った算数教材の数々

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算数のフラッシュカード

このように、私は子ども達の基礎学力、苦手分野を分析し、授業を行っています。子ども達の計算力は確実に上がっています。また、高学年に関しては、基礎学力が定着してきたので、基礎学力の授業と並行して、苦手分野の習熟を図る授業も行っています。

次回は、藤岡さんが取り組みの事例を紹介します。