子どもたちの笑顔のために

2020年2月20日

こんにちは。ボツワナの首都ハボロネで青少年活動を行っている黒木です。今日は、私の活動を紹介させていただきます。

私の配属先は、チャイルドラインという児童支援を行っているボツワナのNGOです。チャイルドラインでは、主にふたつの事業を行っており、ひとつは現地のソーシャルワーカーが行う外来相談・電話相談、もうひとつは児童保護です。チャイルドラインのソーシャルワーカーは24時間体制で全国の親や子どもからの電話相談に対応しています。

またボツワナでは人口に占めるHIV蔓延およびAIDS発症者の割合が高いことが社会問題になっています。その影響で親をAIDSで亡くしてしまう「AIDS孤児」が非常に多かったのですが、昨今のHIV対策によりHIV/AIDS患者及びAIDS孤児も減少していると報告されています。その一方で、児童虐待や児童売買などの被害に遭い、親から引き離して保護を必要としている子どもが増加傾向にあるといわれています。チャイルドラインでは、そうした保護を必要としている主に0~5歳の子どもたちの一時保護を行っています。(2020年2月時点では、24人の子どもたちを保護)

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チャイルドラインのオフィス

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ハボロネを一望できるカーリーヒルからの初日の出

私の主な活動は、オフィスサポート、イベントコーディネート、子どもたちとの活動の3つに分かれます。オフィスサポートは、チャイルドラインの事業が円滑に進むよう市役所に提出しなければならない報告書や企業への助成金申請書などの英文資料の作成、同僚への簡単なパソコン操作の指導を行っています。また、子どもたちが出来るだけ早くチャイルドラインを退所し、養子縁組や里親制度を利用して自分の家族と呼べる場所に移ることができるよう、ソーシャルワーカーと共に裁判所に出廷することもあります。

イベントコーディネートの活動では、地域の人々や企業・学校等と連携してチャイルドラインでのイベントの企画運営を行っています。国民の約8割がキリスト教徒のボツワナでは、慈善活動として寄付をしたり、児童養護施設などの施設に行きイベントをすることは少なくありません。そのイベントの多くは、誕生日会やボランティアとして子どもと遊んだり、勉強を教えるといった内容です。また、地元の大学生が何か自分たちにできることをしようと、チャイルドラインの子供たちを招待して映画祭などのイベントを企画してくれたり、オフィス外壁に絵を描いてくれることもあります。

その他にも、昨年はボツワナの児童保護に関わる組織を招待し、児童保護に関する会議を行ったり、国内のソーシャルワーカーを対象とした児童保護の法律に関する研修を行いました。

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パソコン操作指導中

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児童保護に関する会議の様子

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地元でメディア学を学ぶ学生が開催してくれた映画祭の様子

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ボツワナの子どもたちも水遊びが大好き!

子どもたちとの活動では、事情があって学校に行くことのできない子どもたちに学校の授業の代わりに文字の読み書きを教えたり、鬼ごっこやボール遊びをして思い切り遊んだり、環境教育の一環としてゴミ拾いを行ったり廃棄物処理場に遠足に行ったりと、子どもたちの視野が広がるような活動を目標として行っています。

チャイルドラインに保護されて来る子どもたちは、自分の居場所が分からなくなってしまった子どもたちです。本来であれば安心できる環境で過ごすはずであった幼少期の時間が、虐待や遺棄、児童売買など、子どもたちの人権を無視した大人の勝手な行動により奪われてしまいました。そんな過去を背負う子どもたちは、常に大人の視線を気にして行動したり、他人との間に壁を作ったりと、「子どもらしさ」を自分の中に押し込んでしまっています。そんな子どもたちが、「子どもらしく」いられるような環境を作っていくことが、チャイルドラインにとって必要な活動だと考えます。私の活動期間も残り1年を切りましたが、ボツワナの子どもたちの笑顔に繋がる活動を現地の人々と共に作っていきたいと思います。

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廃棄物処理場への遠足

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ゲーム感覚で文字に親しみます

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ゴミ拾いの様子

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子どもたちと作った日本のカレー