地域の所得向上のために

2020年2月27日

コミュニティ開発隊員の梅村薫です。ツワナ語の名前は、「セトゥーニャ」で、意味は「花」です。日本の県庁を休職して青年海外協力隊に参加しています。

私は、ボツワナ中央部のレタカネ村にあるセントラル県ボテティ郡庁の社会福祉・コミュニティ開発部にて勤務しています。配属先の主な業務は、郡内19村の住民の生活改善や経済的自立を支援することです。ボツワナの小さな村では、就労機会が乏しく、仕事を持たずに、政府の援助に頼って生活している人がたくさんいます。こうした人々の経済的自立を支援することが、配属先の大きな課題です。

私の活動では、ものづくりを通じた住民の所得向上に取り組んでいます。昨年1月からの活動1年目は、郡庁が管轄する村のうち、主にレタカネ、ツェレ、モピピ、モコバツァネ、レイコップスの5つの村を巡回し、住民とともに観光客をターゲットとしたお土産品の製作を行ってきました。具体的には、村の女性たちに南部アフリカ伝統の布「マテイシ」を使ったアクセサリーやポーチ、巾着などの作り方を教えたり、バスケットや陶芸、革製品の製作に取り組む住民に対し、商品改善のためのアドバイスや新商品の提案を行ったりしました。これらの活動には、日本での県産農産物を使った新商品開発や販売促進を行った県庁での経験がとても役立っています。

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ツェレ村での商品づくりの様子

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「マテイシ」を使ったアクセサリーやポーチ

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「マテイシ」を使った巾着

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ボツワナ伝統のバスケット

また、商品の販路拡大のため、カサネやマウンなどの観光地にあるロッジやギフトショップを訪問するとともに、昨年8月に首都ハボロネ行われたボツワナコンシューマーフェアという見本市に出展し、商品の販売及びプロモーションを行いました。

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ボツワナコンシューマーフェアのボテティ郡庁ブース

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ボツワナコンシューマーフェアでの商品販売の様子

一緒に活動している村の人々は、自分たちの手で作った商品が売れるにつれ、自ら新商品を提案したり、商品の質を向上させようと工夫したりと、ものづくりに対してより意欲的に取り組むようになってきています。こうした彼らの変化を見ると、私もこの活動に携われて良かったとやりがいを感じます。活動2年目は、配属先の同僚にもより主体的に取組みに関わってもらい、これまで私が主に担ってきた商品の販売について、役場と製作者を中心に、現地の人々の手で継続していける体制を築くことが目標です。

次回は、一緒に仕事している村の担い手をご紹介します。