熱帯農業開発に関するブラジル技術

2010年5月21日

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ワークショップの様子 1

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ワークショップの様子 2

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ワークショップの様子 3

「土壌の質評価指数に関する知識統合を目的とした参加型手法」をテーマとしたワークショップは、ブラジル農牧研究公社(Embrapa)国際熱帯農業センター(CIAT)のプロジェクトとして、ブラジル農牧研究公社の研究員及び技術者、農業普及技術公社(Emater)、バイーア州農業開発公社(EBDA)、半乾燥地帯院(INSA)、NGO、パラーイバ州レミジオ地区入植地の農業生産者等が参加して開催されました。JICAは、天然資源管理における地域住民の意思決定能力強化を目的とした、参加型手法や方法のモデルを学ぶために4月28日から30日まで同ワークショップに参加しました。

28日の圃場作業では農業生産者が参加型手法の応用を行い、研究員や技術者たちは現場で土壌の状況を確認し、また生産者たちにインタビューすることで、現場における問題や困難を理解することができました。インタビューをうけた生産者たちは、エコ農業システムとバイオ肥料を使用しています。紹介された一例は、クリオウラ種子(地元農民が保存・品種改良した種子)による綿花の作付けで、コリアンダーと混作し、季節、気候、太陽の軌道等を考慮した技術を使用していました。

土壌調査のデータによると、生産者たちは、バイオ肥料のみを使用して、より高い生産性を確保し、また農薬を使わずより効果的な害虫対策が実現できたそうです。収集された全てのデータは詳細に表示され、研究員、技術者、農業生産者は、問題点や困難について協議し、優先する項目を選考した後、現地で使用する指数についてさらに協議しました。

29日には、研究員と技術者たちが4グループに分かれ、土壌管理の最適な諸選択肢を設定する目的で、主要4指標について協議しました(指標PDFを参照)。最終日には土壌フェアが開催され、そこで農業生産者たちは、土壌の質感、構造、色、有機物質、土壌生物学、基準植物のpH等を把握する作業を通じて様々な体験をしました。そして閉会時には、プロジェクトのコーディネーターと副コーディネーターが土壌管理の選択肢に関する結果を発表し、農業生産者には各自の技術的知識を披露し、また知識を向上する機会が与えられました。

このようなイベントの開催は、専門家どうしの交流や地域生産者たちとの関係を築くことができるので、技術的に大きな意義があります。さらに強調すべきことは、イベント開催中に紹介された事業が諸研究機関が実施の農業生産者に歩み寄る努力の表れだということです。この努力は間違いなく確実に全ての農業従事者に便益をもたらし、問題把握や対策提案がスムーズになります。

また、発表された各技術は比較的容易に習得できるものであり、使用する手法も容易に活用できるので、この体験を他国に導入し活用していくことも可能であり、中小農に対して著しい利益をもたらすこと思います。

JICAは熱帯農業に関して豊富な経験・技術をもつ、EMBRAPAを中心とした農業研究機関とともに、中南米・アフリカなどの熱帯農業開発に取り組んでおります。

JICAブラジル事務所
木村 信幸