アンゴラ保健システム強化プロジェクト(ProFORSA)に関するJBPP合同調査の結果

2010年7月9日

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アンゴラ保健省、副大臣との会合

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PCMワークショップの様子 1

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PCMワークショップの様子 2

2009年12月に「ジョシナ・マシェル病院機能強化研修プロジェクト」の合同評価が行われました。当プロジェクトはJBPP(日伯パートナーシッププログラム)の枠組みにおいて、アンゴラ保健省とジョシナ・マシェル病院をカウンターパートとし、2007年〜2009年の期間実施されました。その主な目的は、ジョシナ・マシェル病院、ルクレシア・パイム産婦人科病院ならびに、13の保健センターの人材育成を行うことでした。プロジェクトは高く評価されましたが、実施された活動スコープに必要な変更を加えればより大きなインパクトが得られたのでは、との評価もありました。本プロジェクトの成果として、700名以上のアンゴラの保健人材を育成したという事実のみならず、JBPPにおける協働活動に大きな自信をもたらし、同枠組みでさまざまな事業を計画する可能性を開いたことが挙げられます。そして同調査の中で、第2フェーズとして実施する、アンゴラの保健人材育成のための包括的な技術協力プロジェクトのデザインについて三者間で協議を行いました。

そういった背景の中6月14〜18日の期間、日伯合同調査団が、保健分野における次のプロジェクトの内容確認及び事前評価を行うために派遣されました。合同調査団の団員として、日本側からJICA人間開発部、JICA南ア、JICAアンゴラ、JICAブラジルの各代表、ブラジル側からABC、保健省の各代表ならびにオズワルド・クルス財団及びリオ・グランデ・ド・スル連邦大学の研究員が参加しました。現地では、アンゴラ政府のニーズに協調しながら日伯各政府の協力方針の下での合意形成、ProFORSA(アンゴラ保健システム強化プログラム)の案件スコープを確定するために活発な協議が行われました。

調査団は、アンゴラ保健省及びルアンダ県保健局の代表者ならびに、ジョシナ・マシェル病院、ルクレシア・パイン産院、ルアンダ保健技術専門学校等の主なカウンターパート機関との協議を重ね、カウンターパート機関のみならずシステム全体への構造的インパクトをもたらすようなプロジェクト形成を提案しました。調査結果として、今後の活動方向を示す、アンゴラ保健システム強化の促進を目的としたマスタープランが合意が、協議に参加した三者によってなされました。JBPP調査団の協議プロセスは、関係する三カ国を水平に位置付することを前提とし、ルクレシア・パイン産院で開催されたワークショップで発表したプロジェクトのフレームワークの共同作成がそれを象徴していました。

当プロジェクトの対象地域はルアンダ県ですが、(1)ルアンダ県に人口が多く集中しており、対象機関は国内の他地方・他県から来る患者も対応することから地域選定の妥当性を担保しております。

ルアンダ県の人口密度が高いのは内戦に関係しております。つまり国民が、内戦時に地方から内戦の影響が少なかった首都ルアンダへの移住を余儀なくされたためです。また内戦が終了した現在の移住プロセスは、国の経済的成長に関連した発展的な展望を動機としており、ますますルアンダの人口が増加していくものと見られています。

協議で合意された内容は、保健人材育成システムの強化およびプライマリーヘルスケアシステム再生プロセスの支援を二本柱としています。。現状のアンゴラ保健システムはケアレベルに応じて3種に分かれており、ピラミッド構造の底辺には、プライマリーヘルスケアセンターが位置付けられています。

同国政府代表の報告によると、リファレンス/カウンターリファレンスのシステムは、ルアンダ県において1990年に導入されたが、一次ケアセンターにおける人材及び資材の不足や不適切なインフラのために、システムは十分機能しませんでした。一方で、それらセンターには施設の能力以上の患者が来院するため、患者を、事前診断をせず(三次ケアの)中央病院へ回さなければなりませんでした。そして他方では、住民自ら、一次ケアセンターへ行かずに、直接中央病院へ行ってしまうようになり、それが、過去数年に見られた中央病院のサービス低下の要因とされています。インタビューに応じた政府代表の方々によると、ジョシナ・マシェル病院とルクレシア・パイン産院等の中央病院は、過去数年間において社会的・政治的な圧力を受けているそうです。

なお、アンゴラ保健省の分析によると、保健システム強化に関する懸念があり、長期的に、それら病院が新たな質の低下を被らないようにすべき、とのことです。調査団に参加した、オズワルド・クルス財団及びリオ・グランデ・ド・スル連邦大学に在籍する公衆衛生・地域保健の専門家たちによると、三レベルのケアの統合を実現できるような、プライマリーヘルスケアシステムの活性化と再編を行うべきであり、保健医療機関間のネットワークによる活動を開発する必要があります。

プロジェクト開始に向けた準備が進んでおりますが、三角協力推進の議論の中で極めて重要なプロジェクトと考えられており、既に大きな期待が寄せられています。

JICAブラジル事務所
Katyussa Veiga