日本ブラジル協働による世界の母子保健改善への取り組み−人間的な出産・出生ケアに関する国際研修の開始!!−

2010年8月2日

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署名の様子(左から芳賀所長、Farani長官、Ivo院長)

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署名後の様子

JICAは1990年代から、ブラジルにおける人間的出産・出生ケアの導入・発展に資する技術協力を実施してきております。歴史を辿ると1995年に開始された「家族計画・母子保健プロジェクト」(通称:光のプロジェクト)において、ブラジル東北部を拠点とした人間的出産・出生ケア導入のための大型の技術協力を実施し、同プロジェクトの最後に実施した国際会議には2000名以上が参加し、人間的出産・出生がブラジル保健省の国家プログラムになり、また中南米における人間的出産・出生ネットワーク(RELACAHUPAN)の設立へと繋がりました。

その後2002年から開始した日本における人材育成研修にて、ブラジル各地の保健アドミニストレーター、助産婦を合計50名以上育成し、またJICAフォローアップ協力によって同研修に参加した助産婦を講師にブラジルでの人材育成セミナーを実施し、2000以上の保健アドミニストレーター、助産婦、伝統的な出産介助者に対して日本の経験に基づく人間的な出産・出生ケアを伝えました。

2008年からはブラジル外務省国際協力庁(ABC)との協定により、「マダガスカル母子保健サービス改善計画プロジェクト」に日本・ブラジルパートナーシッププログラム(JBPP)の枠組みでの協働で参画をしました。この実施機関となったのは、ブラジル保健省の人間的出産・出生におけるレファレンス病院であるミナスジェライス州にあるソフィアフェルドマン病院です。同病院からは同時期に既に日本への研修員を6名送り出しておりましたが、それらの助産婦が中心となり、合計20名のマダガスカル人研修員を同病院に受入れ、人間的な出産・出生ケアの実践に関する技術研修や、行政機関・コミュニティとの連携による総合的な母子保健サービスのあり方などを伝えました。この結果、マダガスカルにおける母子サービス改善に大きく貢献しました。

それら事業によって築いた協力関係と様々な国からのニーズを踏まえ、MDGs達成に貢献するための事業として、今年から第三国研修「人間的出産・出生コース」を開始することとなりました。8月2日にブラジル外務省国際協力庁に於いて、MarcoFaraniブラジル外務省国際協力庁長官、Ivo de Oliveira Lopesソフィアフェルドマン病院院長、芳賀JICAブラジル事務所長の間で5年間の国際研修実施に関する合意署名を行いました。同研修は中南米・カリブ地域およびポルトガル語圏アフリカ諸国を対象に実施いたしますが、既に非常に多くの国から高い関心が表明されています。またこの研修とは別にカンボジアに対しても日本とブラジルが連携して共同プロジェクトを実施するべく準備が進んでおります。事業開始から15年を経て、日伯連携による世界規模での母子保健サービス改善のための取り組みが今始まります。

JICAブラジル事務所
坂口 幸太