中南米・カリブ、ポルトガル語公用語アフリカ諸国に対する出産ケア改善のための国際研修を開始!

2010年10月21日

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サンパウロで実施したプロジェクト1

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研修の様子(対マダガスカル研修)

JICAの人間的出産・出生ケアに関する対ブラジル協力は1990年代に開始しました。女性の健康への総合援助プログラム(PAISM)の形成やイニシアティブを通じたブラジルの人間的出産・出生ケアのムーブメントの始まりの時期に協力を開始したことで、このムーブメントの発展に大いに貢献したことが知られています。

人間的出産・出生ケアの分野におけるブラジルの進捗は国際的な注目を集めており、日本とブラジルの協力により、例えば2008年から2009年にかけて、JICA、ブラジル保健省及びブラジル協力庁(ABC)の参加の下、22名のマダガスカル人専門家がブラジルにて研修を行い、帰国した元研修員は自国の人間的出産・出生ケアの促進と改善に係る活動に従事しています。またこの研修は、ブラジルでの人間的出産・出生ケアのリファレンス病院であるソフィアフェルドマン病院において、初めて国際協力活動として海外の技術者を受け入れ実施した研修事業であり、同病院の国際にも貢献しました。

2010年、JICA、ソフィアフェルドマン病院、ABCは、ラテンアメリカ・カリブ地域及びポルトガル語公用語アフリカ諸国(PALOP諸国)の人間的出産・出生ケアのモデル構築と改善を目的とした、5年間の第三国研修「人間的出産・出生ケアコース」実施の合意を結びました。今年度の第1回目の研修(2010年10月28日〜12月1日)で同病院は、JICAとABCの支援のもと、ラテンアメリカ・カリブ地域、PALOP諸国より16名の研修員を、またブラジル国内ではアマゾナス州の研修員を受け入れました。

本研修は女性と新生児ケアに焦点を置いたもので、出産の方法とケアの改善を図るため、研修員に科学的・技術的知識を移転します。研修期間中、国内外の様々な機関の協賛・参加のもと実施される第3回国際出産・出生会議への参加も予定しています。

世界の女性と新生児のケアや出生状況の改善のために、この数年間ブラジルで培われた知識の移転を行うことで、人間的出産・出生及びネットワークの普及と強化が期待されています。

この国境を越えたパートナーシップの成功はカンボジアにまで知られるところとなり、同国は日本・ブラジルパートナーシッププログラム(JBPP)の枠組のもと、ブラジルで研修を受けることに関心を示し、今年11月から12月にかけて初の対カンボジア人材育成事業を実施予定です。

JICAはブラジルをグローバルな開発のコンテクストにおける戦略的パートナーとして認識しており、ミレニアム開発目標台項及び第5項に貢献するため、保健省及びその他関係機関の母子健康及び死亡率の削減のためのイニシアティブをサポートします。

人間的出産・出生ケアに関する日本—ブラジル間技術協力関係の歴史(概要)

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署名の様子

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本邦研修の様子

1995年、ブラジル東北部において、「光のプロジェクト」という名でしられる「プロジェクト方式技術協力」が開始しました。このプロジェクトはセアラ州の人間的出産・出生ケアのモデル構築及び母子ケアの質の改善を目標としたもので、この成果がブラジルの様々な州に普及しました。また光のプロジェクトは、人間的出産前検診及び出産プログラム(PHPN)導入のための保健省のイニシアティブをサポートし、2000年11月にフォルタレーザで開かれた第一回人間的出産・出生に関する国際会議では、このプログラムが国内に広く紹介されました。

2002年から2007年にかけて、JICAは10名の母子保健アドミニストレーター及び42名の助産婦に対する研修を日本で実施しました。その後も年間2〜3名程度、日本での研修プログラムにて受け入れを行っており、ソフィアフェルドマン病院からは既に8名の助産婦及び1名の医師が日本での研修に参加し、技術や能力を強化しました。更に、サンパウロ州保健局をカウンターパートとしてサンパウロ州における人間的出産・出生ケアの改善のための協力(個別専門家派遣)を実施したり、JICAのフォローアップ協力として、JICAの帰国研修員によるセミナーやワークショップを行ったりする事で、特に北部及び東北部を対象に2,200名以上の関係者の能力強化を支援しました。これらの能力強化は、この広いブラジルにおいて未だに高い帝王切開率の低下及び母子出産死亡率の削減のために、今後も様々な形で普及発展していくことが期待されます。

JICAブラジル事務所
ジュジメイリ・ モウラオン