日本の警察専門家のブラジルでの活動(曽野専門家)

2010年11月10日

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パラ州ベレン市の交番訪問

今年の8月から9月にかけて日本の三重県警察から曽野専門家が短期専門家として来伯し、サンパウロ州軍警察(PMESP)のサンパウロ市に所在する交番、ピンドラマ市、モジ・ダス・クルーゼス市交番、及びその他3つの州を訪問し、現地での指導にあたりました。

交番に訪問中、曽野専門家は通行人の多くが警察官に挨拶したり、車から合図を送ったりしているのを見て、交番の警察官が地域住民と良好な関係を築いていることが確認できたと述べました。

サンパウロ市の東部に位置するBCSベレン交番を例にとると、ちょうど専門家の訪問の行われた日が「兵士の日」であったため、近辺の幼稚園の園児たちが交番へ訪問しました。まるで前から段取りをしていたようですが、ベースでは誰も子供たちが来ることを知りませんでした。教師たちに付き添われて、各警察官は幼稚園で作ったプレゼントを受け取りました。交番の責任者のブリテス巡査部長はカードと絵を子供たちから受け取りました。

また同専門家は、警察官が地域コミュニティーと一緒に様々な活動を行ない、信頼関係を強化していることにも注目しました。訪問した交番では、業務活動内容や警察官によって実施されている社会福祉のプロジェクトに関して報告を受けました。地域警察交番を含むブラジル全土でごく一般的に行われている衣類寄付キャンペーンについて聞くと、曽野専門家もキャンペーに貢献したいと、サンパウロ市で使用した衣類を手で洗い、寄付を募っている交番に寄付しました。

訪問及び調査を行った中で、地域警察活動を改善するために、地域住民に対する安全情報などを載せる交番の新聞や情報誌に関していくつかの提案をして頂きました。

また専門家は、JICA、外務省ブラジル協力庁(ABC)、法務省国家公安局(SENASP)とのパートナーシップを通じて実施された「地域警察プロジェクト」に関わったサンパウロ市内交番の中で、異なった環境や導入段階の交番を訪問しました。

また、サンパウロ州で唯一のモジ・ダス・クルーゼス市にある地域安全交番も訪問しました。そこで曽野専門家は壁に地域の80KM圏内地図があることに気がつきました。この地図の設置は今年6月に訪問した本田専門家の指導によるものでした。

曽野専門家によると、警察官らは地域コミュニティーとともに進歩の過程にあり、各地域の実情に合わせて、住民との良好な関係を築きよいコミュニケーションをとっていると述べました。交番が設置されたことで、治安が向上し、犯罪率が低下しました。住民と一体になった活動が特によく進展しており、地域コミュニティーは交番に関して好印象を抱いています。

専門家によると、PMESPにはこれから2014年ワールドカップのサンパウロ戦や2016年のオリンピックでの安全確保という大仕事があります。地域警察活動はこのようなイベントに対しても重要です。

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ミナスジェライス州の交番訪問

サンパウロ州での各交番訪問後、同専門家はエスピリット・サント州、ミナス・ジェライス州、ゴイアス州の警察を訪問しました。エスピリット・サント州ビトリア市では、安全管理上、危険地域とされている通称「平和地域」にて実施されている、「対話的警察活動」と呼ばれている地域警察活動を見学しました。ミナス・ジェライス州では、メディアの大きな注目を呼び、2日間の講演には、800名以上の参加がありました。この州でもゴイアス州と同じく、住民との交流をもとにした警察活動の実施や社会福祉活動、また日本にてJICAの地域警察研修を受けた警察官が継続して地域警察活動を推進していることが確認されました。

JICAサンパウロ支所
川野 カルメン