第三国研修「ポルトガル語圏アフリカ諸国対象結核対策コース」の実施

2010年11月10日

10月8日、ブラジル協力庁(ABC)のマルコ・ファラーニ長官、オズワルド・クルス財団(FIOCRUZ)の国際関係保健センターのパウロ・マルチオリ・ブス所長、JICAブラジル事務所の芳賀克彦所長により、「ポルトガル語圏アフリカ諸国対象結核対策コース」の実施のための協定が締結されました。この研修は今年から2014年まで実施される予定です。

世界保健機関(WHO)によれば、結核は年間約200万人の死亡原因となっており、毎年900万人が新しい患者として診断されています。結核と診断されたケースの中で、ほぼ150万人はHIV患者です。

同プログラムの参加国である、アンゴラ、モザンビーク、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ・プリンシペでは、結核とHIV感染は生命を危険にさらし、平均寿命の低下と経済活動人口の減少を引き起こしています。このような状況下、ポルトガル語を公用語とするアフリカ諸国は、結核とHIV撲滅のために特定のプログラムを通じて、世界基金や世界銀行のような国際機関に経済援助を申請し、支援を受けています。調達した資金は、病院の建設や救急医療機材、病室・実験室における機材の購入、伝染病の監視システムの構築だけでなく、薬剤・診断用の実験器材の購入、病状の経過のモニタリングなどに利用されています。

資金協力のほかに、保健分野の専門家育成は結核の撲滅に重要な役割を果たしています。結核患者に直接診察を行う専門家向けの同コースは、病気の予防・診断・治療を改善することを目的としています。

ブラジルはポルトガル語を公用語とする国々と言語を共有するほか、数年前に結核予防に関する政策を制定して、結核対策に経験が豊富な専門家を多数抱えているため、この育成研修には大いに貢献することが期待されています。

同コースの実施機関であるエヴァンドロ・シャーガス研究院(IPEC-FIOCRUZ)は、結核に関する診断・治療・予防・専門家の育成に特化したチームを有しており、救援・研究・教育部門で活動を行っています。第1回目の国際コースは、リオデジャネイロのエヴァンドロ・シャーガス研究院(IPEC)で11月3日から30日の期間で実施され、カーボベルデ、モザンビーク、サントメ・プリンシペから来伯した保健分野の専門家8名に対して研修を行っています。

加えて、オズワルド・クルス財団(FIOCRUZ)は、これまで4回の第三国研修を実施してきており、これまで、ワクチン品質管理コース、公衆衛生コース、労働衛生コースを実施しています。

また、来年度からアンゴラに対し、“アンゴラ保健システム強化プロジェクト(ProFORSA)”という日本ブラジルパートナーシッププログラム(JBPP)の一環として共同プロジェクトを実施する予定です。同プロジェクトは、プライマリーヘルスケアシステムの確立を目指し、保健分野における人材育成を強化する事を目的としています。

JICAブラジル事務所
新垣 ウッスィー