第三国研修「都市内軌道交通コース」にアフリカ及び中南米諸国の技術者が参加

2010年11月12日

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サンパウロ市における講演

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研修開会式

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講義の様子

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施設訪問

JICAとTRENSURB(ポルトアレグレ都市内鉄道公社)の協力関係は既に10年続いています。JICAとTRENSURBが合同で実施する第三国研修は、2000年に開始し、これまで、中南米諸国及びポルトガル語圏アフリカ諸国の技術者120名の育成してきました。また、TRENSURBはJICAの支援を受けて、10人以上の専門家を本邦研修に派遣しました。

JICAとTRENSURBの協力関係は、1970年代半ばに日本からTRENSURBへの専門家の派遣に始まり、現在でも日本におけるブラジル人専門家の育成を目的とした技術交流で協力関係が続いています。これらの協力の成果として、リオグランデドスル州の鉄道会社は、日本の鉄道車両、運行管理システムを有しています。

今年は、ブラジル国際協力庁(ABC)、JICA、TRENSURBの間で締結された第三国研修実施協定の最終年に当たり、通算第5回目の研修が実施されました。

研修ではTRENSURBが中心となって、鉄道の運行システムの維持・運営分野における技術と知識の移転を通じて、より良い経営の実践と都市鉄道システムの効率的な運営手法を技術移転することを主な目的としています。

研修プログラムには、リオデジャネイロやサンパウロといった大都市での都市鉄道会社の見学のほかに、理論研修、実践・実演授業が含まれており、研修員は鉄道車両管理、運行管理、乗客へのサービスに至る様々な分野の研修を通し、より広い視野が持てるよう研修内容を工夫しています。

具体的には、サンパウロにおける研修で、アンゴラ・ブラジル・コロンビア・ペルー・メキシコ・ベネズエラから来訪した研修員15名を対象にサンパウロの地下鉄の運営制御センターにおける駅構内の監視カメラによる安全システム、駅や電車内における駅員の仕事、乗客や電車の管理の仕組み、運営状況を体験できる研修、例えば、サッカー試合やイベントが実施される日など、駅構内が混雑する状況において、安全管理を行うシステムの体験、新設の地下鉄への車両の乗車を通じた運行管理方法、日本の地下鉄職員による、乗客へのサービス方法の紹介等を研修に組み込んでいます。

モザンビークの鉄道会社CFM社から参加したクペッカ・デ・アウローラ・フェルナンド氏は、同研修への参加に関し、「この研修に会社の代表として参加することは、我々の会社にとって非常に重要なことです。ブラジルで利用されている技術を学べるだけでなく、帰国した際に母国で実践できる具体的な技術も知ることができます。」と感想を述べています。

第三国研修では、同研修のコーディネーターであるエンジニアのヒカルド・ヘッセル氏が強調するように、研修実施国、研修受益国、双方に利益があることが特徴です。参加者は、それぞれの祖国での既存のシステムに関する知識を研修参加者と交換することによって、問題の解決方法を模索していくことが可能です。

ブラジルは、わが国と類似の鉄道運行システムを導入していることから、これまでも多数のブラジル人研修員を受け入れています。同研修に参加した日本の地下鉄職員である生方講師はTRENSURBとの協力関係について,「これまでの我が国の協力により、TRENSURBにおける運行管理の質は高く、また、技術交流の成果から運行システムも類似のものが導入されている」と述べており、ブラジルにおける日本の協力が確実に活用されていること、ひいては、ブラジルでの研修を通じて日本の知見が他国に普及されていることが実感されます。

研修コースの修了式は、ポルトアレグレ日本出張駐在官、現地の鉄道関係者、JICAとABCの代表者の参加の下行われ、日本とブラジル両国の知見を活用した研修協力の有効性が再確認されました。

JICAブラジル事務所
ジュジメイリ モウラオン
JICAサンパウロ支所
川野 カルメン