日本、ブラジル及びモサンビーク政府は、国際協力及び農業セクター投資の機会に関する国際セミナーを開催します。

2011年4月14日

アフリカ農業開発のための日本ブラジル官民共同事業。

JICA独立行政法人国際協力機構並びに伯国外務省国際協力庁(ABC/MRE)は、「モサンビーク熱帯サバンナ地域農業開発三角協力事業」に於ける国際協力及び投資機会に関するセミナーを開催します。

4月25日、日本、ブラジル及びモサンビーク政府は、伯国外務省国際協力庁(ABC/MRE)並びにブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)との共催により、モサンビークの農業セクターにおける国際協力及び投資機会に関するセミナーを開催します。本事業は、日伯共同パートナーシッププログラム(JBPP)の枠組みの中で行われ、モサンビーク熱帯サバンナ地域農業開発三角事業(ProSAVANA−JBM)の第一歩の一つであります。

このイベントはサンパウロ市のブルボン・コンベンション・イビラプエラホテルに於いて開催され、日本、ブラジルおよびモサンビークから著名な講演者が参加します。その中にはブラジル農業生産者連盟連合会長カチア・アブレル上院議員、サンパウロ州工業連盟(FIESP)アグロビジネス上級審議会議長ロベルト・ロドリゲス氏、元農業大臣アリソン・パウリネッリ氏、ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)総裁ペドロ・アハエス氏、ブラジル及びモサンビークの農業省代表者の参加が確定されています。

また、モサンビークの農業セクターの投資機会についてディスカッションを行うために日本政府代表である三輪昭駐伯大使、大島賢三JICA副理事長、三菱商事などの日本の多国籍企業や各国の開発銀行の代表者、企業家、投資家などが参加します。

JICAおよび伯国外務省国際協力庁(ABC)はProSAVANA事業を共同でコーディネートし、熱帯地域における農業の研究及び技術移転の実施と開発のためにブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)の技術的な支援を得ています。このプログラムには日本の研究機関や大学なども関わり、モサンビーク農業調査研究所(IIAM)がカウンターパート機関として参画しています。

本プログラムは日本とブラジルが第三国の開発に協力する先駆的事業であり、現在実施されている世界最大の三角協力事業です。両国が有する専門的な知識により、モサンビーク農業の生産拡大、同国の食糧安全保障への貢献、社会的・環境的な責任に基づく競争力のある生産セクターの活性化を目的としています。

本プログラムの経緯

緒方貞子JICA理事長は、2007年のブラジルへの公式訪問の折にセウソ・アモリン・ブラジル国外務大臣(当時)と日本ブラジル両国による第三国、特にアフリカ大陸への三角協力事業を拡大することで合意しました。ブラジル政府は、伯国外務省国際協力庁(ABC/MRE)コーディネーションの下に農業畜産食料供給省(MAPA)およびブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)の参加を得るための協議を開始しました。

他方、日本政府の方では、2008年5月に横浜市で開催された第四回アフリカ開発会議(TICAD IV)で食糧の安全保障のテーマが確認されています。また、2009年7月、麻生太郎首相(当時)とルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シウバ前ブラジル大統領は、イタリアのラクイラで開催された主要国首脳会議に於いて、セラード農業開発協同プログラム(PRODECER)の実施過程で得た専門的な知識を活用し、日本とブラジルによる共同プログラムを通じてモサンビークの農業開発を促進することで合意しています。

セラード農業開発協同プログラム(PRODECER)は、1970年代に開始された日本とブラジルの重要な官民共同事業であり、ブラジル中部地方の発展に寄与したのみではなく、結果的に新たな農業フロンティアを創出し、世界の食料安全保障に貢献し、熱帯サバンナ開発の先駆的な役割も果たしています。現在、熱帯サバンナ地方(セラード)の農業に関する専門的知識の多くは、ブラジルの研究機関や農業生産者に集中的に蓄積されています。このプロセスは様々な経験を網羅し、農業の発展のみに限定されず、社会的・環境的インパクトの適切な処理に関する知識の蓄積を可能としました。

両国間の合意に基づき、大島賢三JICA副理事長を日本側団長とし、マルコ・ファラニ・ブラジル外務省国際協力庁(ABC)理事をブラジル側団長とする合同調査団が組織され、モサンビークのソアレス・B・ニャカ農業大臣、アイウバ・クエレネイア企画開発大臣及び同国高官と熱帯サバンナ農業開発三角協力事業の基本的な体制について協議を行うため、モサンビークを訪問しました。

この訪問を起点とし、2009年と2010年の間に、JICA、ABC、EMBRAPA、農業普及機関(EMATER)並びに全国農業学習機関(SENAR)によって、各機関の活動のための技術的パラメータの設定およびモサンビークの農業セクターの実情把握を目的としたプログラム予備調査ミッションが組織されました。

2010年8月25日、プログラム詳細調査・策定のための合同ミッション滞在中、日本、ブラジル及びモサンビーク政府は、「モサンビーク国ナカラコリドー農業開発のための研究能力向上プロジェクト」の実施を合意しました。このプロジェクトは、IIAMの北東部および北西部中心地域の研究能力向上に資すること、並びに、ナカラ地域に適合する農業技術開発とその開発された技術の同地域農業生産者や他の受益者への移転を目的としています。

本年5月からは、日本とブラジルの技術チームが活動開始のためにモサンビークに派遣されます。日本からは農業研究機関や大学、その他の研究センターが参画します。ブラジルからはEMBRAPAが熱帯農業の技術的側面の指導に当たり、IIAMと共同で活動します。

ProSAVANAプロジェクトは三者共同で実施されます。共同活動の目的の一つは、農業研究・普及のための物理的・機関的能力向上を通じたナカラコリドーの地域開発です。その他のプロジェクトコンポーネントは、実証圃場(ほじょう)の形成、新品種の適応・導入またはモサンビーク既存品種の改良並びにナカラコリドー地域農業開発統合計画(マスタープラン)の策定です。

モサンビークの農業事情に関する情報

農業セクターはモサンビークの経済の最も重要な分野の一つであり、国内総生産(GDP)の23%を占め、経済活動人口の約80%に雇用を提供しています。また、同国北部の熱帯サバンナ地帯は農業に適した土壌・気候条件及び広大な農耕可能地に恵まれているため、高い農業生産ポテンシャルを有しています。

3600万ヘクタールの農業適正地が存在すると推定されているにも係わらず、16%に当たる僅か570万ヘクタールしか農地として使用されていません。また、近代的な農業技術や農業資材の活用度の低さが自給自足農業及び企業農業の生産性の制限の大きな原因となっています。このため、適切な技術の導入と農業セクターへの投資によって生産量と生産性が向上されることが期待されます。

詳細につきましては、JICAブラジル事務所の坂口幸太までお問い合わせ下さい。