「知的障害者福祉集団研修」帰国研修員支援フォローアップ協力開始!!

—発達障害及び自閉症の子どもを持つ母親のための社会的ネットワーク構築—

2011年9月6日

知的障害を持つ子どもの母親の高いうつ傾向に関して、当事者達のインタビューを収録したDVD「Above the Waves」。

このビデオは2008年にJICA及びJLDD(社団法人 日本発達障害福祉連盟)が共同で、ブラジル、コロンビア、タイ、マレーシアの母親数名に行ったインタビューを収録したものであり、現在でも同分野における様々な専門家・団体等に活用されております。

特にブラジルにおいては、同ビデオ収録を支援したNGO Instituto Educateur、CRIARTは大活用しており、以下フォローアップ協力の申請に至ったのも、このビデオがきっかけです。

背景

Instituto Educateur、特に帰国研修員であるAnnibal医師主導のもと行われきた発達障害者・自閉症の子どもを持つ母親のセルフーヘルプグループ構築に係るリサーチ研究の中で、数名の母親が同ビデオを参考に、彼女らの日常生活に密着したドキュメンタリービデオを作成したいと申し出たことが本協力開始のきっかけです。同ドキュメンタリービデオを収録する事によって、同じ境遇に見舞われた他の母親達の助けになるのではないか、また、母親同士のネットワークを構築することによって、互いに励ましあい、セルフヘルプに係るアイディア等を教材化し、ワークショップ、セミナー等を開くことによって彼女らのうつ傾向を少しでも和らげることが出来ればという気持ちが込められ、協力の申請がJICAにされました。

Instituto Educateur

JICA帰国研修員であるAnnibal医師は、同団体創立者の一人であり、日本で得た知識・ノウハウを現在でも活かしております。

2008年度に実施されたパダリアプロジェクトでは、リオデジャネイロ市における貧困層コミュニティーの青少年及び障害者を対象としたパン作りを教え、貧困層の生計向上に成果を挙げております。

【写真】

2008年度に実施した「パダリアプロジェクト」の様子1

【写真】

2008年度に実施した「パダリアプロジェクト」の様子2

【写真】

出来上がったパン・ケーキ等でパーティー

「知的障害者福祉集団研修」帰国研修員フォローアップ協力

当プロジェクトは今年度3月まで、リオデジャネイロ市において実施されます。

概要は以下の通りです。

将来的な目標

生活上の障害や困難のある当事者が、自分の利益、要望、意思、権利を自ら主張し、自分自身、または他者のために権利擁護活動を行うこと=セルフ・アドボカシーに係る人材育成ワークショップを、“Abovethe Waves”ビデオに基づいたブラジル版ドキュメンタリービデオ “Um Dia Muito Especial”(訳:特別な一日)及び母親達によって作成された様々な教材を活用しながら定期的に実施する。

当事業の目的

“Um Dia Muito Especial”ビデオ及びセルフヘルプマニュアルを作成し、母親グループがワークショップを実施できるようになる。

成果

  • 発達障害及び自閉症を子どもに持つ母親のグループを設立し、セルフヘルプマニュアルが作成される。
  • 発達障害及び自閉症を子どもに持つ母親の日常生活に密着したドキュメンタリービデオが製作される。

活動

  • 発達障害及び自閉症の子どもを持つ母親のグループを構築
  • グループ・ニーズの識別、グループリーダーとの協議を通じた活動内容の設定
  • 同グループを通じたニーズに基づくセルフヘルプマニュアルの作成
  • グループ活動のモニタリング及び評価
  • “Um Dia Muito Especial”ビデオの製作

当プロジェクトは、障害者を持つ家族(主に母親)に支援の焦点を当て、家族、そして周辺コミュニティーによる障害者支援体制の構築の促進をも目指しており、それをモデル化していくという点は、障害者を持つ家庭が孤立している問題を抱えるブラジルにおいて有効な手段であるといえます。また、本案件で製作予定であるドキュメンタリービデオ、教材等は、障害者を持つ家庭の不安の軽減、コミュニティー全体の障害者教育に対する理解を促進すると共に、同教材の普及を促すことが期待されます。

同プロジェクトにおける進捗状況・成果等を随時更新していきますと共に、情報提供、支援提供等、ご関心のある方は何なりとお問い合わせください。

JICAブラジル事務所
西川 ケーリ