平成23年度「教師海外研修プログラム」の実施−ブラジルを味わう−

2011年9月21日

7月28日〜8月10日までの間、当事務所では日本市民の国際協力に対する理解を促進する事を目的に、約20名の小・中・高等学校、特別支援学校の教員等を受け入れブラジル各地を訪問しました。

「教師海外研修プログラム」は市民参加協力事業の一つであり、具体的には国際理解教育、開発教育に関心のある日本の教員を対象に、開発途上国での海外研修(約10日間)及び日本での国内研修を通じ、途上国の現状と日本との関係への理解を深め、その成果を次代を担う児童・生徒の教育に役立てていくことを目的としています。ブラジルでは今年度で第5回目の受入れを行いました。

今年度は昨年度同様中部地方及び沖縄県より2チームを受け入れ、実際の国際協力の現場、ブラジルの教育現場を視察した他、ホームステイ、日系社会との触れ合い等々を通じて、ブラジルの現状・実態、文化、歴史等を直接肌で感じていただきました。

中部地方からは、岐阜県、静岡県、愛知県、長野県など、計9名の小・中・高等学校や特別支援学校の教員及び2名の同行者が来伯し、サンパウロ州(サンパウロ市)、パラー州(ベレン市、イニャンガッピ市、トメアスー市)及び首都ブラジリアを訪れました。

沖縄県からは、沖縄県各市町村より、計8名の小・中・高等学校や特別支援学校の教員及び同行者1名が来伯し、サンパウロ州(サンパウロ市)、マトグロッソ州(カンポグランデ市)、パラー州(トメアスー市)及び首都ブラジリアを訪れました。

今回の訪問で視察しました主なJICA事業は以下の通りです。

その他にもパラー州にて実施済みの草の根技術協力事業2件、帰国研修員との意見交換、日系社会青年・シニアボランティアの活動現場等を視察しました。

また、ブラジルの教育現場の事情にも触れていただくため、多数の州公立学校、日本語学校、私立学校、教育局及び教育省との意見交換も行いました。

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ブラジリア公立高等学校(CEAN)訪問

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越智学園訪問

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越智学園模擬授業風景

そして、今回特に取り上げたいのはトメアスー市のアマゾン現場でのアグロフォレストリー活動の視察です。トメアスー市は、パラー州のベレン市から車で約4時間、途中はアマゾン川を船で渡る箇所もあり、アマゾン熱帯雨林を直に感じていただきました。

トメアスー市は、人口48.607人(2009年度統計)の小さな市であり、胡椒、アサイー、そして、カカオの生産地として世界的にも知られています。今回訪問した小長野農場では、アグロフォレストリーという環境保全型の栽培技術を取り入れており、この技術はブラジル国内だけではなく、第三国研修を通して、世界各国の熱帯林地域で普及されつつある栽培技術です。特にJICAでは同アグロフォレストリー技術を、日本—ブラジルーボリビアとの共同プロジェクト「北部ラパス小規模農家の生計向上のための付加価値型農業プロジェクト」を通じてボリビアの熱帯林にも普及しようと、今年度も計4名のボリビア人技術者を受け入れました。現在のトメアスー・アグロフォレストリーが大きな成果を成し遂げているのも、日本から移民してきた方々の苦労・努力あってのものです。

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CAMTA坂口理事長による説明

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アグロフォレストリー訪問

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プロジェクト「Pró-Pirá」 - 「Tia Cota」

今回参加いただいた教員の皆様には日本へ帰国後、ブラジルでの体験・経験をもとにそれぞれの学校関係者や生徒、保護者、地域住民に対し、国際協力への理解促進のための授業や報告を実施していただきます。

このような事業を通じて、市民レベルにおいても日本・ブラジルの絆を更に深められることを期待しております。

JICAブラジル事務所
児玉 五郎