ジャラポン地域生態系コリドープロジェクト終了時評価実施

2013年1月29日

BRICSの一角として世界経済再活性化のカギを握るブラジル。安定した経済、豊かなコモデティー資源によって世界への影響を増していますが、それも広大な国土にまたがる多様な気候風土が可能とする多種多様な作物の大規模栽培による大きな収益、そして広大な多数の河川を利用した水力発電など恵まれたエネルギー環境(世界屈指の淡水資源)により促進されているものであり、世界経済に貢献するブラジルの発展は環境資源の存在が源泉となっています。

この豊かな水資源のうち、アマゾンは別としてサンフランシスコ、トカンチンス、パルナイバ等主要なものがブラジル高原を水源としており、中央ブラジル高原のせラード地域は環境・開発ともに決定的な重要性を持っているものです。しかし開発の波はここにも押し寄せ、現在では「極めて生物多様性の豊かな地域であるが、同時に世界で最も生物多様性の喪失が危惧される地域の一つ」とまで言われるようになっています。

こうした状況で、セラードの心臓ともいえるジャラポン地域の環境をまもろう!ということからブラジル政府は日本に協力を要請し、その結果2009年11月に本プロジェクトに係る討議議事録(R/D)に署名、2010年「ジャラポン地域生態系コリドープロジェクト」が開始されました。

環境保全においては、生物多様性の維持が重要であり、「多様性の宝庫」であるジャラポンにおいて野生生物が生活・繁殖できる環境を維持するため、本件協力では野生生物が自由に活動できるための「保護区内外の連続性」「多数の保護区間の連携」に重要な生態系コリドーの導入・実施に向けて、実施機関ICMBioの体制強化を行いました。このためにGISなどIT技術を駆使した情報の収集・関係機関間の共有や地方自治体・NGOとの協力による現場コミュニティレベルの研修や啓蒙など、日本から派遣された専門家の指導により多彩な活動が実施されました。2012年10月に至り、終了時評価を行いましたが、基本的にはプロジェクトの所期の目標は達成されつつあるなか、ジャラポンの生態系保全のカギを握る多機関間連携等について、継続して支援が必要であることが確認され、8か月のプロジェクト延長となりました。

ブラジルの場合、連邦・州・市政府がそれぞれ環境行政機関を保持しており、これらが一枚岩となって活動するためのメカニズム(ジャラポン・モザイクと呼んでいます)が重要ですが、本件協力によって日本の専門家チームのリーダーシップのもとこのメカニズムが構築されました。さらには市レベル保護区の発足なども成果としてあげられ、ますますの充実が期待されます。

プロジェクトの概要:

【画像】

ジャラポンの大自然

  1. プロジェクトサイト
    ブラジル国トカンチンス州、ピアウイ州、マラニョン州、バイア州(それぞれ一部)
  2. 協力期間
    2010年4月〜2013年12月
  3. 相手国実施機関
    シコメンデス生物多様性保全院(ICMBio)
  4. 専門家
    2010年4月〜2013年4月で計7名
    本邦研修:2011年6月にICMBioより3名(2012年11月にさらに3名を予定)
  5. 研修員受入れ 6名
  6. 機材 GISデータサーバー、GISソフト、リモートセンシングソフト、車両2台等