日本の反対側のもうひとつの日本でビジネスチャンスを掴む

2013年8月12日

−第2回中南米民間連携調査を実施−

JICAは、これから日本企業の進出が期待されている中南米への投資促進、官民連携事業形成に向けて、民間企業14社からなる「第2回中南米民間連携調査団」をブラジル、ペルーに派遣した。JICAでは今年2月末から約2週間、ブラジル、パラグアイに第1回の調査団を派遣している。

ブラジル、ペルーの150万人強とも言われる巨大な日系社会と連携し、中南米の経済・社会開発につながる事業形成を目指すことを目的とした本調査団は、7月16日から19日までペルーを調査した後、7月20日から26日にサンパウロ、マナウスを訪問、現地の日系社会や日系進出企業、ブラジル政府が実施する官民連携事業等との意見交換を行い、ビジネス実現の可能性を調査した。

世界最大のサンパウロ日本祭へ参加

サンパウロは、中南米最大の都市であると共に最大の日系社会が存在する都市だ。ここでは毎年、総来場者数が15万人を超える世界最大の日本に関する祭典「ジャパンフェスティバル」が開催されている。日系団体や現地に進出している日本企業など多くの団体が参加しており、今や日系人に限らずブラジル全土からも参加者が集まる巨大な祭典となっている。

出展者として参加した調査団は、各企業のキラリと光る技術をわかりやすく展示、来場者からの注目を集め、中には直接商談につながることもあった。

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企業の出身県と馴染みの深い日系団体と話し合う調査団員(右)

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来場者からの注目を浴びる製品。

日本企業と日系社会の連携

ブラジルに進出している日系進出企業は約500社。これはアメリカやドイツといった日本企業の競争相手国と比して圧倒的に少ない。「日本からの距離や、ブラジルコストの問題はあるが、そもそもブラジル市場の魅力や日系社会の存在が日本では認知されていない」と調査団の一参加者は語る。

そのような状況下、日本の企業進出促進に向けてブラジル政府や日系団体は積極的な活動を展開している。その一つがブラジル日本商工会議所。サンパウロで多くの進出企業や進出を検討している企業とのコンタクトを持つ。事務局長の平田藤義氏は「日系企業の進出は過去最高を記録しつつあるが、まだまだ少ない。大きな可能性のあるブラジル市場に日本勢が進出していくためには、官民あげて応援することが重要」と語る。

調査団が訪問した、日系人経営企業の要職者が集う塾、盛和塾。多様な業種の日系人経営者(医療、観光、食品業等)が所属し、ブラジルでの経営指南や意見交換を行う母体として発展してきている。

調査の参加者の多くは経営者、要職者であることから、当塾の訪問を通じてブラジルでの経営マインドやリスク管理等を直に感じ取ることができた。

「外国への進出検討は、パートナーや進出企業の経営者を知ることから始まる。その点でよいきっかけとなった」とある調査団員は語る。

ブラジル、企業、JICAが連携による相乗効果

近年、中南米全域で中間層の拡大に伴う、新興層をターゲットとした新たなビジネスチャンスが誕生してきていることや、政府が積極的に公共投資に民間投資を結合させる官民連携事業を実施していることから、JICAが長年行ってきている経済開発支援とオーバーラップする分野が確実に増えてきている。

この状況は、JICAが長年築いてきたネットワークを活かし、日本の企業が持つ高い技術力を組み合わせることで、経済・社会開発により貢献できる可能性、日本企業の進出の可能性が高まってきたと言えるだろう。

日本政府は今年、企業の海外進出促進のためブラジルに「中小企業海外展開支援プラットフォーム」を立ち上げ、きめ細かく企業の進出促進に対応できるよう体制を整備してきている。オールジャパンとしての取り組みが企業進出、経済・社会開発の追い風となることが期待される。

以上