「日伯医療福祉セミナー−ブラジル日系医療機関との連携に向けて−」を開催しました

2017年3月28日

JICAブラジル事務所は、2017年1月23日にサンパウロ日伯援護協会にて、サンパウロ日伯援護協会、サンタクルス病院、ブラジル日本商工会議所の後援の下、『日伯医療福祉セミナー−ブラジル日系医療機関との連携に向けて−』を開催しました。
このセミナーは、2017 年1 月21日から2 月2日にかけてブラジルへ派遣された『ブラジル日系医療機関との連携調査団』のプログラムの一環として開催したもので、来伯した医療法人、社会福祉法人及び民間企業から構成された調査団員10名の他、日系病院関係者を含むブラジルの医療機関や医療機器販売企業の代表者合計86名が参加しました。

ブラジルの医療・保健分野は、2014年の安倍総理訪伯以来特に関心が高まっている分野です。ブラジル全人口に対する日系人比率が1%未満に対して、ブラジル医師のうち日系人医師の比率は3.7%と、ブラジル日系人は医療分野において大変活躍しています。JICAも、医療分野ではこれまでに医療施設・機材の整備、巡回診療への支援や人材育成(現在までに累計300名の日系研修員を派遣)等を行ってきました。これまでの支援に加え、近年取り組んでいるのは、日系社会をパートナーとした日本の民間企業との連携事業の推進です。本事業は、日本政府が進める医療技術・サービスの国際展開に貢献しつつ、日系病院への支援・連携を推進するものです。2014年10月には東京にて『中南米日系社会と連携した日本の医療・福祉分野の技術・サービスの国際展開セミナー』を開催し、2015年2月にはブラジルの日系病院の院長、経営者を日本へ招聘し、がん研究センター、大学病院、医療機器メーカーを訪問しました。また、同時期に『国際医療展開におけるブラジル日系病院との連携セミナー』を開催し、両国間の連携強化を図ってきました。

『日伯医療福祉セミナー−ブラジル日系医療機関との連携に向けて−』は、1)医療調査団のブラジル医療・福祉の現状や課題の把握、2)日本の技術や活動の紹介、3)参加者の幅広いネットワークの構築を目的として行われました。第1部では、JICAのこれまでの医療分野での取り組みの紹介と調査団員10名より商品や福祉活動のプレゼンテーションがありました。民間企業からは医療ベッド、床ずれ予防マットレス、ポータブル超音波画像診断装置、医療廃棄物焼却炉や中古医療機器販売サービス、医療コンサルティングサービスの紹介がありました。また、社会福祉法人からは、近い将来ブラジルでも課題となるであろう高齢化社会の観点から、高齢者福祉施設、在宅医療専門の診療所サービス、老人ホームと高齢者の働く場を提供するハイブリット型施設の紹介がありました。また、医療法人を代表し、大学病院の最先端技術も紹介されました。

第2部ではジェトロの経済調査ディレクターの辻本希世氏より、近年拡大傾向にあるブラジルの医療分野市場とその課題の紹介、ブラジル日本商工会議所メディカル分科会の会長、鈴木政行氏、副分科会長の的場俊英氏、友納睦樹氏、土屋功氏、市川幸太郎氏よりブラジルに拠点のある日本の民間企業からのブラジル医療の見解やアドバイスがありました。ABIMED(Associação Brasileira da Indústria de Alta Tecnologia de Produtos para Saúde:ブラジル医療機器ハイテク産業協会)Carlos Goulart会長からは、ブラジル市場への医療機器の輸出やマーケット参入についての説明、アマゾニア病院の生田勇治医師より、ブラジルでの日系医師のプレゼンスやこれまでの貢献、今後の日本企業への期待が述べられました。サンパウロ日伯援護協会の長尾マリウザ福祉部長からは、ブラジルの高齢者福祉の現状とそれに対するサンパウロ日伯援護協会の取り組みの紹介、そしてサンタクルス病院の田中サンドラ看護部部長からは、日本でのJICAの医療研修参加の成果と今後の課題が発表されました。

JICAは引き続き、日系社会と連携した医療分野での事業を積極的に進めていきます。

【画像】

セミナーの様子

【画像】

JICA本部中南米部審議役の斉藤によるJICAのブラジル医療分野に対する取り組みのプレゼンテーション

【画像】

アマゾニア病院の生田医師より日系人医師によるブラジル医療分野での貢献についてのプレゼンテーション

調査団員10名、訪問先のサンパウロ大学病院にてサクラダ医師と共に記念撮影

参考資料