【教育】ブルキナファソの教室を変える−「学習者中心の授業(ASEI-PDSI)」 研修、全国展開へ

2014年9月17日

質の良い授業とは?授業を行う目的とは?これらの問いの答えを探すなかで、常に児童の表情や反応を意識できる教員を育てる。そんな研修がブルキナファソ全土で展開されています。「初等教育・理数科現職教員研修改善プロジェクト・フェーズ2」の一環で、2014年7月から9月にかけては約1400名の視学官を対象とした研修が展開され、その先にはいよいよ、教室レベルでの実践を実現すべく教員研修が計画されています。

9月1日から9月6日の6日間は、ルンビラ教員養成校(ENEP)にて、教員研修の講師となる視学官を対象とした研修が開催されました。研修は、「指導案を活用し、学習者中心の授業(ASEI-PDSI)に基づく授業を実践する技術を伝達すること」を目的に実施され、13県の視学官、教員養成校や視学官・校長養成機関の教官(約230名)を対象に、ASEI-PDSIの概念、ASEI-PDSIに基づく指導案、指導案実践にかかる技術、授業評価の方法、評価レポートの提出方法等に関する能力強化が行われました。

ブルキナファソの小学校では、授業を形作る要素として毎時間の授業計画を示した指導案が重要な位置づけにあります。ASEI-PDSIに基づく指導では、毎授業のはじめに出される問題を、児童の年齢に照らしてすでに経験していると考えられる実生活の事柄に基づく内容とし、児童自身がすでに持っている経験と知識を引き出しながら解法を考えていけるような手法を取っています。例えば理科の授業では、「ポールの友達はこれまで一度もヤモリを見たことがないそうです。この友人のために、ヤモリがどういうものか説明しましょう」という課題が出されます。ブルキナファソにでは道や家などいろいろな場所でヤモリを目にします。このように日常的に目にする動植物を用いて問題設定をするといった工夫が凝らされているのです。他にも従来の指導案には無かった、児童の学びや反応を重視する手法が盛り込まれており、研修中には参加者から多くの質問が寄せられました。質疑応答を繰り返すなかで、「教員が担う大切な役割は、児童の自信を醸成し、児童が自由に自分の意見を述べられるよう導くことだ」という意見が出るなど、ASEI-PDSIに基づく指導案への理解の深まりが感じられました。

研修を通して、授業改善で考慮されるべきは先生の姿のみならず、そこには必ず児童の存在があり、授業の目的は児童の知的好奇心の醸成と学習成果の向上など、学習者の成長にあるということが再確認されました。研修の次は実践です。研修をひとつのスタートとして、学習者中心の授業が教室で実現されていくことが期待されます。

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研修初日のオープニングセレモニーのようす

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グループに分かれてASEI-PDSIに基づく指導案を読み、意見交換を行う研修参加者