『LA PETITE CLE』教員用参考書−ボランティアと教員の協働ツール−

2015年10月2日

2013年6月に4名の小学校教育隊員が赴任したことを契機に、理数科授業の質の改善を目的とし、子供中心の教育の実践促進に取り組む同セクターのボランティア間での連携がスタート。以降、累計7名のメンバーで構成した小学校教育分科会は、2015年6月までに様々な共同活動を精力的に展開した。

教員用参考書の作成は、2013年9月の分科会発足当初から温められていた共同活動の一案である。ボランティアは、当国の教育現場の関係者の視点を取り入れること、そして現場の協働者と共同で作成することを重視したため、関係者間の見解をすり合わせるのに想像以上の労力と時間を要した。しかし、そのプロセスがあったからこそ、現場のニーズや課題にマッチした成果品となったと言えよう。

三つの章からなる120頁の同参考書の第1章は実践事例集であり、当国の教員が、意識してかせずにか、現場で既に実践している児童中心の教育のグッドプラクティスを抽出し紹介している。第2章は教材集で、児童が理解しにくいテーマ、例えば数の概念や四則計算の意味などを分かりやすく説明するのに役立ち、しかも身の回りの資材で安価に制作できる教材を、その効用・製作方法・使用方法と一緒に記載している。第3章は指導案集で、上記教材を使った授業の中で児童の考える力を伸ばすような指導のポイントが分かるようにオリジナルのフォームに纏めている。

2015年3月に関係機関や協働者に配布した同参考書は、授業改善に共同で取り組むボランティアと教員の協働のためのツールという位置づけであり、今後の活用の中で更なる改善が期待されている。同参考書に掲載されている指導の方法やツールは、ただ単にそれらを実践したり使用したりするだけでは児童中心の教育にはならない。何よりも重要なのは、教員が各児童の学力レベルを把握し、各児童の学習プロセスを観察・評価し、その結果に基づいて最適な指導の方法やツールを考えること、そしてそれを実践すること。同参考書は、教員がその最適な指導の方法や教材を考え実践する際に、参考にできるようなものを紹介しているに過ぎず、教員自身が能動的に選択し、必要であれば現状に応じて適応させなければならない。それで『LA PETITE CLE』;小さな鍵(ヒント)という意味のタイトルがついているのだ。同参考書が、児童と深くかかわり、授業をより分かりやすいものにしようとする教員の絶え間ない努力の一助となることを願っている。

同参考書の電子データを掲載するので、関心のある方には、上記の趣旨を理解していただいた上で広く活用していただきたい。

【画像】

教員用参考書表紙

【画像】

分数のための教材