NyamaNyama番外編−ゴミをテーマにお絵描き大会、ブルキナファソとスリランカの交流−

2016年5月19日

2016年4月6日及び13日、ディエブグ小学校CとダペロゴB小学校にて『ゴミ、芸術、国際交流』の3つをテーマにしたお絵描き大会が行われた。この大会は、プロジェクトNyamaNyama(注)に付随したものであり、小学4、5、6年生総勢371名が対象となった。
また、本企画はブルキナファソとスリランカの隊員による合同企画であり、ブルキナファソからダペロゴ第1教育事務所配属の市川瑛子(ようこ)隊員(職種:小学校教育)、ディエブグ保健省配属の桜井美侑(みゆ)隊員(職種:コミュニティ開発)、スリランカからスリランカ中央環境局配属の高田奈央子隊員(職種:環境教育)が参加した。ブルキナファソにおける運営は、各校の校長、教員及びディエブグの絵描きの協力のもと行われた。

本企画の3つのテーマの詳細は以下の通り。

  • ポイ捨てが当たり前で、ゴミ箱利用という概念さえ乏しく感じられる当国において、小学生を対象とした衛生啓発を行い、子ども達が自身の健康を自身で守るという意義を高める。
  • 絵の授業はあっても教えられる人材はほとんどおらず、先生や教科書の絵を真似て描くのが芸術の授業とされがちの当国の小学校において、プロの絵描きによる指導と豊富なクレヨン使用の機会を与え、子ども達が自由に感性を表現することを体験する。
  • 外国の情報が少なく世界地図を見る機会すら希少な当国で、外国の小学校と交流する機会を与えることにより、子ども達の視野を広げ、想像力を育む。

当日の流れ(1〜4)、及び予定される展開(5、6)は以下の通りである。

  1. スリランカの説明
    今回の交流対象校のあるスリランカを、現地から送られてきた写真(小学校、子ども達、町の風景、街中のゴミなど)を用いて説明。
  2. ゴミの啓発
    ディエブグ、ダペロゴそれぞれの街中に捨てられているゴミの写真を使用し、「街中に捨てられたゴミが人間などの健康にどういった悪影響を及ぼすか」について講義。
  3. お絵かき
    絵描きによるクレヨン使用法の指導のもと、児童が上記の説明を受けて持った感覚を、クレヨンで自由に表現。
  4. 作品選考
    教員、絵描き、隊員間で話し合い、スリランカへ送る作品を各クラス5点、合計30点選考。
  5. 記念品授与
    選ばれた作品の制作者に、スリランカからココナッツの皮を再利用した象のキーホルダーと、当国で多く売られている水の袋を再利用したリサイクルバッグに入った石鹸を授与。
  6. 作品展示会
    同様のお絵描き大会がスリランカの小学校4校で行われ、両国で選ばれた作品30点を互いに送り合い、それぞれの小学校で展示会を開催。

本企画は「口頭のみによる啓発講義は人の心に残りにくいのではないか」という考えのもと、対象者が能動的に参加する実践的なアクティビティをプラスすることで、啓発効果を向上させる事を第一の目的として立ち上げられた。終えてみれば、児童達のゴミ問題に対する問題意識を高めただけでなく、絵で自分の感性を自由に表現する、名も知らない国の児童と交流するといった新しい体験の数々を通して、子ども達に様々な気づきを与えたように見受けられた。

日頃から小学校で活動する市川隊員は、この日の児童達の様子を以下の様に話した。『スリランカという子ども達にとっては聞いたこともない国との交流は、彼らにとっても私にとっても、新鮮な体験であった。スリランカの話を聞いている子ども達の目は、いつもよりずっとキラキラしていた。やりがいを感じた。』ディエブグでは本企画の後、桜井隊員を目撃するや否や『スリランカ!』と叫ぶ児童が多発し、『スリランカの生徒たちに何を一番言いたい?』という彼女の問いには、沢山の児童が『Merci!(ありがとう!)』と答えた。

ダペロゴB小学校のカボレ・シメオン校長は『今回のお絵かき大会は、我が校、特に生徒にとって、様々な面で有意義な機会だった。と言うのも、これを通して生徒の衛生問題に関する意識が高まっただけでなく、生徒間の競争心が刺激され、さらにスリランカという異なる大陸の国の生徒との文化交流が可能になったからだ。』と大会の意義について語った。絵描きのワタラ・アミドゥ氏は『知力、道徳、精神、技功の発育を目的とする学校教育において、絵画はひとつの役割を担えるはずである。今回二校で行われた活動は、絵画や環境衛生啓発の効果が垣間見えた好事例だったと言えるだろう。』と学校教育における芸術の重要性を芸術家ならではの視点から語った。

スリランカの高田隊員は以下のように想いを述べた。『同年代の子ども達と繋がり、言語の代わりに"絵画の交換"を通して互いの地域の環境(ゴミ)問題について学ぶ機会は、子ども達にとって新鮮そのもので、大変良い刺激になった。ゴミ問題は他国でも注目すべき社会問題であること、それが与えている悪影響について、自主的に学ばせることが出来た上、本来であれば決して関わる機会はなかったブルキナファソの子ども達との大変貴重な異文化交流の場を与えられたことを、心から嬉しく思っている。また子ども達だけでなく学校関係者全員が、ブルキナファソから届く絵画と自分の生徒達の絵画に対する向こうでの反応を心待ちにしている。』

様々な人々が様々な思惑のもとに一丸となり実現したお絵描き大会であった。この日、子ども達は何を感じ、何を思ったのだろう。教育、啓発、想像力の育み、いずれも一朝一夕で行えることではないだろう。しかし、この日の一瞬一瞬の気づきやワクワクが、彼らの中で宝となり、ひとりひとりの未来を輝かせる経験の一つとして活きていくよう願う想いは、運営者全員に共通したものだった。

(注)下記参照

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ダペロゴB小学校第4学年

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スリランカの風景に興味津々な子ども達

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絵を見せる子ども達(ブルキナファソ)

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絵を見せる子ども達(スリランカ)