子供中心の教育プレゼン資料の完成!

2016年6月17日

ブルキナファソでは、ボランティア事業を開始した2000年から幼児教育隊員が累計15名、2006年から小学校教育隊員が累計19名派遣された。これらの協力隊員は、幼稚園や小学校の現場において教員らとの協働で教育の質の向上を図ってきた。日本では、教員による子供への一方的で画一的な詰め込み式の指導であった教育スタイルが改められ、子供が自発的に学んだり自分の力で考えたりするように促すことを教員の役割として位置付ける子供中心の教育が実践されるようになって久しい。一方ブルキナファソでは、後者のアプローチは導入されているもののまだまだ定着には至っていない。実際、協力隊員が教育の現場で把握した限りでは、子供中心の教育に関する誤った理解のもとに同アプローチを敬遠する教員や、形式的には同アプローチを取り導入していても、根本的には教員中心の教育を踏襲している教員が多いという状況である。他方、一方的な詰め込み式の指導をしていても子供一人一人に愛情を持って接している教員や、意識せずに子供中心の教育を実践している教員も散見されており、だからこそ隊員も同アプローチの定着によって彼らの能力を強化することにやりがいを感じている。

これまで、教育分野の隊員は子供中心の教育を普及させるため、当国の教育環境に適合した具体的な実践方法を提示しながら、その良さを理解してもらうことに努めてきた。その一環として小学校教育セクターにおいては、計7名の隊員と活動関係者の協働により、当国で既に実践されている子供中心の教育のグッドプラクティスの例、同アプローチの実践に結び付く教材の紹介とそれを使用した指導案を取り纏めた教員用参考書が作成され、2015年初めに発行された。
(参照:『LA PETITE CLE』教員用参考書−ボランティアと教員の協働ツール−(2015年10月2日)

それ以降、治安の悪化を受けて教育分野の隊員数が減少の一途をたどっているものの、残る小学校教育隊員1名と幼児教育隊員2名が連携し、今度は「子供中心の教育とは何か」を分かりやすく説明するプレゼン資料が開発された。と言うのも、同アプローチに関する誤解が多いと実感している一方で、正確かつ深い理解なしには、自分たちが提案する具体的な実践方法が当国の教員らに広く取り入られることはないだろうと考えたからだ。同資料においては、子供の中で育むべき要素のうち特に重要と思われるもの(個性、自発性、考える力、自信等)をピックアップし、それぞれの要素に関して、画一的な教育と子供中心の教育とでは、教員の姿勢がとのように異なり、その結果として子供にどのような影響があるのかを比較することで、これまでの教育アプローチではどのような限界があり、新しいアプローチによりどのような効果が期待できるのかがスムースに理解できるように工夫されている。更に、同アプローチに関する理解度を図ったり確かめたりするためのテストも作成された。

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プレゼン資料を使用した隊員カウンターパートによる実習生向け講義の様子

原案の段階から、子供中心の教育に関連するJICAの研修を受けたブルキナ人教育関係者らに意見を聞きながら作成しているところ、いずれも自分たちが受けた研修内容のうち重要なポイントが網羅されており、しかも当国の教育の課題に合致した中身になっていると太鼓判を押している。既に何名かには実際にこの資料を使用してブルキナ人教員へのプレゼンを実施してもらっているが、受講者の反応も非常に良い。

ここに同資料の電子データをアップロードするので、子供中心の教育の賛同者や理解者には同資料を活用して、一人でも多くの教育関係者に同アプローチに関する理解を広め、実践を促進していってくれることを期待したい。