プレスリリース

カンボジア国向け無償資金協力贈与契約の締結−国立母子保健センターの拡張を通じた周産期医療サービスの強化−

2014年4月3日
国際協力機構(JICA)
カンボジア事務所

国際協力機構(JICA)は、3月26日、カンボジア王国政府との間で「国立母子保健センター拡張計画」を対象として11億9,300万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、国立母子保健センター(National Maternal and Child Health Center: NMCHC)において、研修棟の新設、既存施設の改修及び医療機材の整備を行うことにより、研修機能の強化・拡充及び産科ケア体制の整備を図り、もって、同センターの産婦人科・新生児科のトップレファラル病院としての機能強化に寄与することを目的としています。

カンボジアでは、1970年代からの内戦の影響で、医療従事者数が激減した他、医療機材や施設が破壊され、保健システム全体が壊滅的打撃を受けました。内戦終結後は、多数のドナーが保健分野を支援したことにより、妊産婦死亡率は大きく改善しましたが、周辺国と比較すると依然として高い死亡率に留まっています。また、カンボジアでは慢性的に医師、看護師、助産師等の医療従事者が不足しており、特に地方における助産師不足が深刻化しています。妊産婦の死亡は、その大半が出産前後の大量出血や合併症によるものであり、医療従事者の数及び質の強化が課題となっています。

本事業を通じて、NMCHCにおいて全国の助産師を対象とする卒前実習・現任研修を実施するための研修機能を強化・拡充し、年間約650人の卒前研修、2,050人の卒後(現任)研修を効果的に実施する体制を整備します。また、NMCHCにおける新生児治療室(NCU)、集中治療室(ICU)及び回復室を増床し、周産期医療体制(注1)を強化・拡充することで、NMCHCが年間約1,400件のハイリスクケースに対処可能な体制を整備し、妊産婦死亡率のさらなる低減につながることが期待されます。

(注1)「周産期」とは、出産の前後の時期を指し、妊娠第22週以降、生後満7日未満までの期間をいう。合併症妊娠や分娩時の新生児仮死など、母子双方にとって注意を要する時期とされ、産科・小児科双方からの一貫した総合的な体制が必要であることから、特に「周産期医療」と表現されている。