技術協力プロジェクト「COMIFAC諸国における生物多様性保全・利用及び気候変動対策促進プロジェクト」ABS知見共有セミナーの開催

2019年10月7日

2019年9月30日から10日1日の2日間、「COMIFAC諸国における生物多様性保全・利用及び気候変動対策促進プロジェクト」の一環として、COMIFAC(中部アフリカ森林協議会)加盟国から約40名余りの参加者が集まり、Access and Benefit Sharing(遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分、以下ABS)に関わるCOMIFAC加盟国の研究者と日本の民間企業との知見共有、意見交換を目的としたセミナーを開催しました。

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開会セレモニー(左から、環境・自然保護・持続可能開発省代表、森林・野生動物省大臣代理、COMIFAC事務局次長、JICA増田所長)

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日本からの講師の講演に聞き入る参加者

セミナーでは、日本企業3社から講師を3名招き、自然資源由来の遺伝資源の活用や伝統的知見の蓄積の重要性、海外との共同研究の事例等について発表があり、参加者と活発な議論を交わしました。また、最先端の機材整備よりも研究施設の運営・維持管理がしっかりなされることや、研究者間の信頼関係の構築が図られることの重要性が強調されました。

COMIFAC加盟国が隣接するコンゴ盆地はアマゾンに次ぐ世界第2の面積を誇る熱帯雨林を有しており、また熱帯林は生物多様性の高い地域であり、様々な生物の生息地を保全することの重要定は国連生物多様性条約でも述べられています。

JICAは2015年8月より、COMIFAC(中部アフリカ森林協議会)に対して、1)気候変動対策、森林ガバナンスのワーキンググループ活動の支援、2)生物多様性保全のワーキンググループ活動の支援、3)COMIFAC加盟国各国のフォーカルポイントの活動の支援を行っています。ABSに関する活動支援は2)に位置し、COMIFAC加盟国における名古屋議定書批准を支援するため、ABS実施に必要な技術に関する知識・スキルを習得する研修を2017年、2018年にそれぞれ実施しました。今回は、それらの研修の成果を各国が発表するとともに、民間の視点から途上国の研究機関に必要な点について意見交換を行いました。