所長あいさつ

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1979年の大平首相の中国訪問より始まった中国に対するODAは、中国の改革・開放政策の維持・促進に貢献するとともに、日中関係を下支えする強固な基盤を形成してきました。経済インフラ整備支援等を通じて中国経済が安定的に発展してきたことは、アジア太平洋地域の安定的経済成長にも貢献し、ひいては日本企業の中国における投資環境の改善や日中の民間経済関係の進展にも大きく寄与してきました。

昨年2018年10月、安倍総理大臣が中国を訪問。日中関係は「競争から協調へ。日中両国の関係は,今まさに『新たな段階』へと移」ることになりました。安倍総理大臣と李克強国務院総理は,人民大会堂における「日中経済協力写真展」を共に参観。中国の改革開放に対する日本の対中ODAによる貢献を含め,経済分野における日中協力のこれまでの歩みを振り返られました。

外務省HPによれば、習近平国家主席、李克強国務院総理との会談。対中ODAについて次のようなやりとりが行われました(鍵括弧部分は外務省HPからの引用)。

李克強国務院総理との会談:「安倍総理からは,本年が中国の改革開放40周年にあたることを踏まえ,改革開放は日中両国にとって大きな役割を果たした旨を述べつつ,その更なる深化に期待を表明した。その上で,日本政府として,今年度を以て全ての対中ODAの新規供与を終了することを決定した旨を伝達した。同時に,両首脳は,今後,新たな次元の日中協力として,開発協力分野における対話や人材交流の実施に向けた調整を進めていくことで一致した。」

習近平国家主席との会談:「安倍総理からは,対中ODAの新規供与終了を踏まえ,今後は,開発分野における対話・人材交流や地球規模課題における協力を通じ,両国が肩を並べて地域・世界の安定と繁栄に貢献する時代を築いていきたい旨を述べた。これに対して,習主席からは,日本のODAによる貢献を高く評価する旨述べた上で,こうした協力について前向きな発言があった。」

今年度をもって対中ODAの新規供与が終了することになりますが、現在実施中の事業は、各事業の所期の目的を達成するため、事業期間終了まで、しっかり業務を行ってまいります。同時に、JICA中国事務所は、約40年のODA事業を通じて培われた信頼、ネットワークといった資産を活用し、これまでの事業の成果の記録と発信をし、そして、新たな次元の日中協力である開発協力分野における対話や人材交流の実施等に貢献をしていきたいと考えています。

引き続き、JICA中国事務所の中国における活動にご理解とご支援をお願いいたします。

所長 中里太治

2019年1月1日時点 実施中事業