JICA中国事務所ニュース 2004年4月号

1. JICA及びJICA事業に関する最近のトピック

(1)JICA本部の組織体制が抜本的に改編される!

一層の効果的・効率的な事業の実施を図るため、4月1日にJICA本部の組織・体制が抜本的に改編されました。改編のポイントは次のとおりです。

ア.国別・地域別アプローチの強化

(ア)地域部は従来の4部体制から5部体制に移行(アフリカ部、中東・欧州部の新設)

(イ)従来地域部が主管していた案件を一部を除いて課題部に移管
(なおこれと平行して、国別・地域別アプローチの強化の一環として、在外機能強化を順次進めています)

イ.課題(イッシュー)別アプローチの強化

(ア)従来のスキーム別体制(技術協力プロジェクト担当部5部、開発調査担当部3部)の体制から、課題部5部体制に移行(「社会開発部」、「人間開発部」、「地球環境部」、「農村開発部」、「経済開発部」)

(イ)課題部内に分野・課題ごとの知見やノウハウを順次蓄積、在外支援機能を強化

ウ.責任ある経営機能の強化

独立行政法人として自立的、かつ、責任ある組織、事業運営のため、

(ア)業績評価チームを新設(中期計画等のモニタリング)

(イ)広報室を新設(透明性、説明責任の機能強化)

(ウ)環境社会配慮審査室を新設(環境社会配慮審査機能の強化)

また、機構法に新たに明記された、国民参加協力事業や復興事業への取組み強化のため、

(ア)市民参加協力室を新設(草の根技術協力、開発教育支援を強化)

(イ)平和構築支援室を新設(平和構築支援の総合調整)

(ウ)ジェンダー平等推進グループを新設(男女共同参画を推進)

エ.迅速かつ柔軟な事業実施体制の強化

迅速に意思決定を行い、変化するニーズに柔軟に対応するため、チーム制を導入し、組織のフラット化を推進。本部、国内機関の課長・課長代理ポストを廃止し、チーム長、グループ長を設置。従来の課長代理相当以上のポストを1割程度削減。
なお、新たな組織図と各部概要については、JICAのホームページにてご覧いただけます。(http://www.jica.go.jp/about/jica/org_list.html

(2)在外主管体制への移行に向けた方針固まる!

本ニュース3月号で紹介したとおり、JICAは「ニーズに的確かつ迅速に対応できる協力プログラム形成機能を強化すること」、及び「迅速かつ効果的に事業を実施できる事業実施監理機能を強化すること」を目的に、今年度から在外機能強化を抜本的に進めることにしています。そのための具体的な段取りを決定することを目的として、3月8日から11日まで、JICA本部において「在外強化のためのタスクフォース」詳細検討会が開催され、当事務所からは加藤次長が参加しました。

この検討会では、他の在外事務所に先駆けて、今年10月から「試行事務所」として本格的に在外主管体制に移行する予定の8在外事務所(インドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、中国、バングラデシュ、ケニア、セネガル)が在外主管により実施する案件の確定と、本部の支援体制及び支援内容、並びに具体的な手続きの進め方等の確認を行いました。当事務所は、すでに今年1月から、新規開発調査3件、新規技術協力プロジェクト1件の事前評価や計画策定を試行的に在外主管により行っていますが、今年10月からは、検討会において確認された方針に従い、いよいよ本格的な在外主管体制に移行することになります。

当事務所では、一昨年度から各開発課題ごとに担当所員を配置して、案件発掘・形成及び評価を中心に、在外主管の事業実施体制構築に向けた取組みを進めてきましたが、今回案件の計画および実施段階の在外主管化が決定されたことにより、案件発掘・形成から評価まで一貫した在外主管による事業実施体制の確立が視野に入ったことになります。当事務所としては、拡大する責務に的確に対応するため、今後所員の課題対応能力の向上、在外における日本国内外の機関との連携強化、業務合理化および省力化、ナショナルスタッフの拡充等を進める予定です。

なお、当事務所が今年10月から在外主管により実施する案件は新規案件が中心で、継続案件については、技術協力個別案件(個別専門家、在外研修等)と限られた技術協力プロジェクトのみが対象となります。

(3)JICA環境社会配慮ガイドライン適用開始!

これまでも本ニュースでご紹介したとおり、JICAでは環境社会配慮ガイドラインの改定作業を進めてきましたが、その内容が確定し、4月1日に施行されました。今年度の技術協力、無償資金協力の要望調査から、ガイドラインに基づく要請案件のスクリーニング、スコーピング等の一連の手続きを実施することになります。

なお、すでにガイドラインの中文版の仮訳は完成しており、現在訳文の確認を行っています。この確認が終了次第、ウェブサイト等を通じ公開する予定です。

(4)開発調査「水利権制度整備」が正式にスタート!

(4)開発調査「水利権制度整備」が正式にスタート!

3月8日水利部において、JICA開発調査「水利権制度整備」実施細則の署名式が行われました。この署名式には、水利部からは翟浩輝副部長(副部長は日本の副大臣に相当)、高波国際合作・科学技術司長をはじめ、政策法規司、水資源司などの副司長が、JICA中国事務所からは櫻田幸久所長らが出席しました。

水不足が深刻な中国では、限られた水資源をいかに合理的に配分するかが喫緊の課題となっており、水利権制度整備の必要性が強く認識されています。今次の開発調査は、このような緊急課題に対応する政策支援を内容としているため、水利部指導者の注目度も高く、署名式の席上、翟副部長からは万全の体制で本案件実施を支援するとの発言がありました。

この署名式の2日後には、早速、三本木健治明海大学教授を初めとする日本人専門家計5名が派遣され、中国側専門家チームと日中双方の水利権制度や水資源管理などについて議論を行いました。本調査では今後約2年をかけて、日中双方の専門家およびコンサルタントにより、関連情報の収集、およびその結果に基づく政策提言が行われる予定です。

(5)「日中水フォーラム2004北京」の開催迫る!

来る4月20日(火)〜22日(木)の3日間、北京国際会議センターにおいて、「「水」に関する日中間の新しいパートナーシップの確立に向けて」をテーマに「日中水フォーラム2004北京」が開催されます。主催は中華全国青年連合会ですが、JICAも後援団体として積極的に協力しています。

同フォーラムの分科会では、JICA水利人材養成プロジェクト、大型灌漑区節水かんがいモデル計画プロジェクト、四川省森林造成モデル計画プロジェクト、および住宅性能と部品認定の研究プロジェクトの代表者が発表を行い、また、フォーラム最終日の22日には、中国事務所長がJICAの中国における水分野の協力について発表を行う予定です。さらに、会場にブースを設置し、中国におけるJICA事業全般を紹介することにしています。

このフォーラムは中国の水問題に対して今後どのように取り組んでいくのか、日中の政府、民間の幅広い意見を聞き、考える非常に良い機会ですので、興味のある方は積極的にご参加ください。フォーラム参加ご希望のJICA関係者は、当事務所担当(鍜治澤千重子、kajisawa@jica.org.cn)までご連絡下さい。また、フォーラムのスケジュール等詳細については、フォーラム事務局ホームページ(http://www.jcnca.org/water/index.html)をご覧下さい。

(6)貴州省三都県貧困対策モデルプロジェクトにおいて参加型評価を実施!

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3月2日に、JICAが中国で初めてローカルNGOと連携して実施している「貴州省三都県貧困対策モデルプロジェクト」において、住民参加によるプロジェクト評価が実施されました。

本プロジェクトは、地域住民の生活改善(バイオガストイレの建設、リボルビングファンドの提供など)、家族の健康向上(リプロダクティブヘルスや母子保健・寄生虫予防などの健康教育など)、生態農業を中心とした村落開発(農業技術指導、飲料水供給、道路補修、民族工芸指導など)を組み合わせた総合貧困対策プロジェクトで、中国計画生育協会(NGO)を主たるカウンターパートとし、省レベルでは中国農村の生活改善を推進する政府部門(計画生育局と扶貧弁公室)の参画を得ながら実施しています。

本プロジェクトは、計画、実施、評価という一連のプロジェクトサイクルに住民が参画する参加型手法を採用しています。今次の評価も、寒風の中、プロジェクト村の住民約120人が集まり、丸一日掛けて、『JICAプロジェクトで調達する物資は、村人に平等に配布されているか』『JICAプロジェクトに参加して収入が増加したか』『プロジェクトで作った灌漑システムの質は満足できるものか』など約40の項目についてYES/NOの投票を行う形式(投票にはとうもろこしの粒を使用!)で実施されました。この結果は、省・州・県の扶貧弁公室が中心となって組織した評価指導グループが分析し、今後のプロジェクト活動にフィードバックすることになっています。

(7)中国中西部の都市発展戦略を考えるセミナーが開催される!

干光遠氏

干光遠氏

3月28日、JICA、中国国家発展改革委員会と湖南省発展計画委員会との共催により、中西部地域の都市化のあり方を考えるセミナー(「中国都市化論壇〜中西部地域の都市発展戦略を考える〜」)が湖南省長沙市において開催されました。

同セミナーは、現在実施中のJICA開発調査「中国西部地区中等都市発展戦略策定調査」の一環として行われたものです。この開発調査は、東部沿岸地域に比較して経済発展が遅れている西部地域において健全な都市化を進め、中国経済、社会の地域間格差を是正するにはいかなる政策が必要かを検討する政策支援型の開発調査で、通常のコンサルタントによる調査に加えて、本調査のために設置した日中の専門家チームによる調査研究が、相互に連携する形で進められています。また、本案件に有機的に連携する形で、西部の地域総合開発計画を支える中央、地方の人材育成のため、国別研修「西部地区国土開発研修」及び「西部地区行政実務者研修」を実施しています。

上記のセミナーでは、同調査に携わる日本人専門家(星野進保元経済企画庁事務次官ほか)と中国人専門家(于光遠元中国社会科学院副院長ほか)が日中の都市化政策等について講演し、中国の都市化に係る主要問題、特に開発区問題と行政区画問題を取り上げて議論を行いました。セミナーには、湖南省の許云昭副省長が出席したほか、約250人が参加するなど、本セミナーに対する中国側の関心の高さがうかがわれました。

(8)低所得農民の失明対策に係る草の根技術協力スタート!

本ニュースで以前取り上げた、中国における草の根技術協力(パートナー型)の初めての案件「低所得農民層の失明実態究明と対策のための人材育成」が正式にスタートし、3月24日に、その実施のために中国医科大学内に設置された「中日防盲治盲中心」の設立記念式典が挙行されました。同式典には、本事業の事業提案者である金沢医科大学の山本副学長以下、同大学と中国医科大学の関係者に加え、在瀋陽日本総領事館の小河内総領事や、遼寧省科学技術庁、同教育庁、同衛生庁の副庁長らの来賓が出席しました。

この案件は、失明に至る眼疾患を抱えていながら治療を受ける機会も無い農民が中国農村部に数多くいる現状に対処するため、農村部の眼科治療に従事する意志を持つ中国人医師の人材育成と、中国農村部における眼疾患の原因究明及び対策の提言を行うことを目的としています。本案件は農村の貧困層、弱者支援に資するものであり、現下の中国政府の方針にも沿った意義深い事業と考えられます。

日本側の実施機関である金沢医科大学は、約20年に亘り中国医科大学との交流を続けてきており、この案件もその交流の実績を基礎として提案されました。また、中国医科大学は、戦前の旧満州医科大学を前身としていることもあって、日本の医学界との繋がりが現在でも深く、日本政府も、これまで同大学に対し、プロジェクト方式技術協力や無償資金協力を実施してきた経緯があります。

(9)日本語スピーチコンテスト中国大会開催! 

見事優勝の全春橋さん

見事優勝の全春橋さん

3月14日、国際交流基金北京事務所において、JSA(Japan Speech Award)主催、JICA中国事務所共催による「第3回海外高校生による日本語スピーチコンテスト中国大会」が開催されました。参加者は中国各地で青年海外協力隊の日本語教師隊員から指導を受けている17名の高校生でした。この大会は今年度で3度目になりますが、今年も非常にレベルの高い、素晴らしいスピーチが披露されました。接戦の中を勝ち抜いたのは、田原洋平隊員が指導する、吉林市朝鮮族中学(日本の高校に相当します)の全春橋さん。「日本語と出会って」と題するスピーチの中で、日本語の学習を通じて感じたことや得たもの、そして協力隊員である日本語教師との交流をストレートに表現して優勝を勝ち取りました。準優勝には瀋陽市朝鮮族第一中学の金京日さん(大久保千恵隊員)、第三位には長春外国語学校の潘寧さん(長谷川聡子隊員)がそれぞれ入賞しました。またスピーチコンテストの翌日に行われたJICA事業の視察では、北京にある日本学研究センター、中日友好病院を視察しました。生徒や引率の中国人の先生からは、普段日本語教師の協力隊員を通じてしか知らなかったJICA事業について、様々な質問が出されました。今回のスピーチコンテストは、全国各地で日本語を勉強する生徒や先生、また協力隊員が互いに交流を持ち、友情を深めた点でも、非常に有意義だったと思われます。このスピーチコンテストで初めて北京の地を踏み、そびえ立つビルに驚きを隠せなかった全春橋さんは、今度は7月に日本で開催されるJSA主催の世界大会に出場の予定です。健闘を祈ります。

(10)エッセイコンテスト受賞者の研修旅行実施!

3月24日から30日まで、JICA中学生・高校生エッセイコンテストの優秀賞受賞者を対象として、中国への研修旅行が行なわれました。この研修旅行に参加したのは、全国の中学生15,383作品、高校生11,524作品の応募の中から、4回の選考を経て選ばれた生徒10名です。

一行は、日中友好環境保全センター、及び「リハビリテーション専門職養成プロジェクト」の実施現場を訪問したほか、日系企業のご協力を得て、瀋陽市内のエンジン工場を見学しました。また、青年海外協力隊員が日本語教師として活動している瀋陽市朝鮮族第一中学を訪れ、日本語を学んでいる生徒と交流し、ホームステイも体験しました。

参加者はそれぞれ、中国、自分の生き方や国際協力等についていろいろ感じるところがあったようでした。研修旅行中の出会いや体験を是非大切にしていってほしいと思います。

(11)国別研修「中小企業振興C/S」実施!

3月22日から4月24日まで、全国各地の科学技術庁、生産力促進センター等の行政官を対象に、日本における中小企業政策に係る経験・ノウハウを紹介する研修「中小企業振興C/S」を実施しています(C/SはCost Sharing(経費分担)を略したもの)。

中国では、2003年1月1日に「中華人民共和国中小企業促進法」が施行されるなど、法整備は進んできていますが、中小企業支援事業の実施体制の一層の整備が課題となっています。今次の研修は、この課題解消への一助となることが期待されます。

本研修は今年で4年目で、中国側も一定の費用を負担して実施しています。今年度の研修では、研修参加者は、日本の大学教授による講義を聴講し、中小企業総合事業団への訪問・意見交換を行うほか、4月21日には大阪piaNPOで開催予定の「中国の中小企業と対中ビジネスへの展望(仮題)」公開セミナーに参加します。

また今年度は、研修効果を一層高めるため、日本に出発する前に、中国における中小企業振興の現状・課題等について意見交換を行いました。参加者からは、「中国の中小企業促進法は、日本の中小企業基本法と異なり、大まかな方針が示されているのみ。市場への参入・退出等を含む包括的な法律の制定が必要」等の意見が出されました。

(12)留学生支援無償の第1期生が帰国、第2期生が出発!

3月1日、中国留学生支援無償の2004年度入学組(第2期日本語修士課程)7名が無事日本へ出発しました。学生たちは日本での短期語学研修を経て、早稲田大、名古屋大、国際基督教大等で2年間、法律、経営、公共政策などを学びます。また3月15日には東京大学客員研究員(期間1年)3名も出発しました。6月には英語修士課程の33名が日本に向かう予定です。

一方、2003年に出発した第1期生のうち東京大学客員研究員3名が、中国留学生支援無償で最初の修了者として帰国しました。3名はそれぞれ外交部、商務部、中国人民銀行の中堅職員で、当事務所で行われた帰国報告会の席上、「日本での経験と知識を今後の業務に活かしたい。貴重な機会を与えてくれた日本政府とJICAに感謝している」と述べました。

留学生支援無償は、21世紀の中国を担う人材の育成と日中両国の相互理解の基盤強化を目指して2003年から受入が始まった事業です。中国の社会・経済発展上の諸課題の解決に向けた政策立案や実施に携わる中央政府、地方政府の若手行政官を対象にしており、書類選考、語学試験、並びに日中関係機関及び大学教官による面接試験を突破した40名余りが修士学位取得を目指すとともに、日本についての理解を深めています。

(13)青年招聘「日中青年の友情計画」参加者の公募を実施!

青年招聘事業「日中青年の友情計画」(年間招聘者100名、中国側実施機関:中華全国青年連合会)は、1987年にスタートし、参加者総数は1654名に達していますが、今年初めて、招聘者の1割ではありますが、従来の中国側実施機関による推薦方式ではなく、一般公募による参加者の人選が実現しました。

公募で選ばれたのは、教育、経済、地域振興などに従事する重慶市、湖南省、江蘇省の青年10名です。彼らは、応募者総数46人の中から、小論文と日中双方の面接官による面接試験によって選出されました。中華全国青年連合会は、当初公募による人選に不安を持っていましたが、成功裡に終わったことから、来年以降、公募枠を拡大したいと話していました。今回のこの公募の様子は日刊紙「中国青年報」やインターネット・ポータルサイト「中国青年ネット」(中国語名「中青网」)でも詳しく紹介されています(http://cyc7.cycnet.com/)。

なお上記招聘計画とは別に、11月に実施予定の「中国地方青年招聘計画」(招聘者数70名)でも参加者の大半が公募で選ばれる予定になっています。

2. 調査団等の動き(4月)

(1)大連日中人材育成センター設立計画(無償・基本設計調査(2)、2/26-4/3)

(2)林業生態研修センタープロジェクト(技プロ・事前調査、4/8-6/7)

(3)雲南省小江流域総合土砂災害対策および自然環境修復計画(開発調査・本格調査、コンサルタント 3/29-12/15、作業監理 4/11-17)

(4)福建省ミン江洪水予報・警報機材整備計画 修理班派遣(4/11-4/24)

(5)西部中等都市発展戦略調査(開発調査・本格調査、5/6-8(上旬))

3. 今月の行事等

(1)4月12日-16日 結核研修会(無償ソフトコンポーネント)

(2)4月中旬 予防接種事業強化プロジェクト合同調整委員会

(3)4月中旬 日中友好環境保全センタープロジェクトフェーズ3合同調整員会

(4)4月20日頃 太湖水環境修復モデル計画プロジェクト合同調整委員会

(5)4月20日-22日 日中水フォーラム2004

(6)4月23日 人工林木材研究計画プロジェクト合同調整委員会

4. 中国の動き

(1)今月の数字

二つの「6%」

3月3日付「中国経済時報」に「二つの6%」という記事が掲載されていました。

一つの「6%」は、「北京市の出稼ぎ労働者のうち、月極めで賃金が支払われている割合」です。北京市には、86万人の出稼ぎ労働者がいて、その70%が建設労働者と言われています。その多くは、「工事完成後に、発注者が代金を支払ったら、その後、賃金を払う」という約束の下に働いており、往々にして賃金が支払われるまで、1年ないしそれ以上の期間待たねばなりません。立場の弱い層にリスクが皺寄せされている構図が現れた数字です。

もう一つは、「全中国で、医療保険にカバーされている人口比率」です。都市部も含めた一般庶民にとって、最近の医療費の高騰はしばしば話題になっています。基本的な社会保障制度の一つである医療保険がカバーする人口比が、これだけ小さい数字、というのは、意外な印象すら受けます。

中国事務所 藤谷浩至 次長

中国の国土面積の1%を超える?!

2003年1月、国家林業局は、2002年の造林面積は1.6億ムー(1ムー=1/15ヘクタール。約1067万ヘクタール=約10.67万平方キロメートル)であったと発表しました。

中国では自然環境破壊を食い止めるための造林事業が、国家を挙げた各種政策と多額の予算の投入により、凄まじい勢いで進行しています。その結果、2003年の1年間で、中国の国土面積(960万平方キロメートル)の1%を超えた面積が造林されたのです(ちなみにこの造林面積は、日本の国土面積の約28%に達します)。

中国の自然環境破壊は今もなお進行しており、また現在の造林事業が抱える課題は非常に多くありますが、上記の勢いを維持して、「2010年には森林被覆率を19.4%にする」(現在の森林被覆率16.5%)という目標をなんとか達成してほしいと願っています。

中国事務所 鍛治澤千重子 所員

(2)トピックス

第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議閉幕

中国の通常国会に当たる第10期全国人民代表大会(全人代)第2回会議は北京で開催され、私有財産の保護強化や初の人権保障規定を盛り込んだ憲法改正案、温家宝首相の政府活動報告、2004年度予算案などを採択し、3月14日に10日間の会期を終えて閉幕しました。憲法改正では、江沢民前共産党総書記(中央軍事委員会主席)が提唱し、党の基盤を私営企業家など幅広い階層に広げた「3つの代表思想」を国の指導理念に加えたほか、企業の生産設備を含む私有財産の保護を一層明確にしました。こうして、市場経済化を進め、経済発展をさらに推し進めるのに必要な基盤を整備する一方で、人権の尊重と保障、社会保障制度の整備も明記して、社会的弱者に配慮しつつ、社会の安定を図る姿勢を鮮明にしました。   

温家宝首相の政府活動報告も、直面する課題の第一に農民の収入の伸び悩み、就業・社会保障問題、地域発展の不均衡、資源・環境への圧力の増大、食糧減産などを上げ、今年の最優先課題に「三農問題」の解決をあげるなど、社会的弱者の救済とバランスのとれた安定成長を前面に打ち出したものとなりました。

以上