恒川謙司専門家が国家友誼奨を受賞しました −国家安全生産科学技術能力強化計画プロジェクト−

去る10月24日、国家安全生産科学技術能力強化計画プロジェクト、チーフアドバイザーの恒川謙司専門家が急逝されました。恒川専門家は本年10月1日、中国の経済、文化、教育等の発展に貢献した外国人専門家に与えられる最高の奨である、『国家友誼奨』を受賞されたばかりでした。恒川専門家のご逝去に心から哀悼の意を表すとともに、ご冥福をお祈りいたします。

以下は生前恒川専門家よりいただいた、受賞のご報告です。

【写真】

受賞された故恒川謙司専門家(左側)

この度、計らずも2010年国家友誼奨を受賞することになりました。本奨は、中国の経済、文化、教育等の発展に貢献した外国人専門家に与えられる最高の奨であり、この様な栄誉ある奨を受賞できたことは、この4年間日本人専門家とともに骨身を惜しまず活動してきた中国側スタッフの熱意のお陰であり、心から感謝する次第です。本年の受賞者は20数カ国、計50人であり、そのうち米国人12人、仏人、独人6人となっており日本人は私を含め4人でした。

受賞者に対しては、人民大会堂において張徳江副首相から一人ひとりにメダル等が授与されるとともに、温首相との懇談会が催されました。また、受賞関連行事のある3日間は夫婦そろって国慶節祝賀夕食会に招待されたほか、往復運賃、宿泊費、食事全て中国側負担であり、中国政府の受賞者に対する感謝の念の大きさを感じました。一部に「中国は技術協力に対し感謝しておらず無駄である」との声もありますが、今回の経験を取ってみても決してそんなことはないと思いました。逆に、まさに日中関係がギクシャクしていた時期に行なわれた授賞式に参加して、日中両国専門家が共通の目標を目指して一緒に努力していく姿勢こそが「互恵関係」の基礎を形作るのだと確信しました。日中安全生産プロジェクトは、職場で労働者の命と健康を如何に守っていくかのノウハウを移転させるプロジェクトです。わが国が1960年代の高度経済成長期に直面したように、現在中国は労働災害の多発に苦労しています。日本がこの間築き上げてきたノウハウが今後中国の職場で活用され、労働者の命と健康が確保されるとしたら、中国企業だけでなく現在中国で生産活動を行なっている多くの日系企業にとってもすばらしいことではないでしょうか。今回の受賞は、この面での協力の重要性を明らかにしたという点でも意義が大きかったと思っています。

最後になりますが、本プロジェクトに対し、常に暖かく見守り指導してくれたJICA中国事務所の皆様方のご支援がなかったら、本プロジェクトの成功、ましてその結果としての国家友誼奨の受賞もありえませんでした。

この4年間のご支援に対し深く感謝するとともに、日中の「互恵関係」の一層の発展のために今後とも技術協力の進展を目指しご活躍し続けることを心から祈念いたします。

(プロジェクトチーフアドバイザー 恒川謙司)

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